消費者に不利な決定に誘導する「ダークパターン」とは

ビジネス

最近、人気ゲーム「フォートナイト」を運営する米国エピックゲームズに対して、約710億円の制裁金を課すことが決定されたのはご存知でしょうか。この制裁の理由は、ゲームで遊ぶ子どもの情報を保護者の同意なく収集したり、意図しない課金を促していたためです。

このように企業が利益やデータ収集のために、顧客に気づかれないように行動を誘導するネットマーケティングの手法を「ダークパターン」と呼びます。これはゲームだけでなく、一般的なWebサイトにおいても、ECサイトにおいても使われています。分かりやすいのはサブスクリプションの解約方法をわざと分かりにくくして、解約しにくくする方法です。

今後、このダークパターンを使用するサービスが増えてくると思いますので、どのような手法があるのかおさらいしておきましょう。

 主なダークパターンの手法(日経調べ)
追加課金 無料サービスをうたい、知らないうちに課金される
解約防止 サブスクリプションの退会を電話のみで受け付ける
選択誘導 チェックボックスを外さないと複数のメルマガに自動登録
データ過剰収集 長い条項を提示して、そのデータ提供に同意しなければサービスを利用できないようにする
偽装広告 他のコンテンツと見せかける

皆さんも上記のような経験をしているのではないでしょうか。このようなサービスに会う度にうんざりしますし、その企業に対するイメージも悪化します。セコいことすんな、と。今後、ネット上のサービスを展開する企業は、ダークパターンを使うことで企業イメージが悪化することも考慮した方がよいでしょう。

実際、Amazonやヤフーがダークパターンを使わない仕様に変更しています。Amazonはアマゾンプライムの退会方法を2クリック以内で操作を完了できるようにし、ヤフーはメルマガの配信設定をデフォルトで「配信無し」に設定しました。大手がこのように変更したことで、それ以外のサービスも変わっていくのではないでしょうか。

伊藤泰行

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。いつまでもお酒が楽しめるように、毎年1回のフルマラソン完走を目標として健康な体づくりに励んでいます。

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