墓じまいの流れと費用相場

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僕の実家は静岡県浜松市にあります。当然、先祖代々のお墓もそこにありました(過去形)。幼い頃はいずれ実家に戻り、お墓の面倒も僕がするのだと思っていたのですが、大学入学と同時に京都に来てから心境は一変。人間関係など環境の変化により、今後実家に戻ることは無くなりました。兄弟は弟がいるのですが、弟も実家を離れ、すでに家族を持っているため実家には戻らないでしょう。

実家(自宅と土地)は誰も住んでいなくても問題ないのですが、お墓はそういう訳にもいきません。放っておけば口うるさい親戚から何を言われることか。。悩んだ結果、僕ではなく定年退職を迎え毎日時間が有り余っている親戚のオジサン(死んだ父親の弟)に任せることにしました。提案当初は反対されましたが、僕が実家に戻ることは今後一切無いことを伝え説得。

ただし、お墓は実家の近くではなく親戚のオジサンの近所に引っ越すことに。これが初めての「墓じまい」経験でした。お互い対等な立場だと思っていたのに、なぜかお寺の住職の言いなりで納得いかないことだらけ。定期的にお金を払っていたのに、墓じまいの際にもお金が必要とか言ってくるし。そんなアコギな商売ありまへんで、と何度言いかけたことか。ま、人は仏と神には弱いということで。

きっと僕のような人たちがこれから増えてくると思います。そこで今回は墓じまいの流れと、ざっくりとした相場をご紹介します。墓じまいは直接寺院と交渉すると面倒なので、間に誰か入ってもらうことをオススメします。

 墓じまいの流れ

墓じまい(墓→墓)は次のような手順で進めます。ただし、管理者によって若干異なる部分はあるので必ず事前に確認しましょう。

  1. 新しい墓を決める(引越し先が決まってから引っ越ししましょう)
  2. 現在の墓地の管理者に引っ越しを伝える
  3. 現在の墓地の管理者に「改葬許可申請書」に署名・捺印してもらう
  4. 現在の墓地がある市区町村(役所)に出向く
  5. 現在の墓地がある市区町村(役所)で「改葬許可申請書」を提出し「改葬許可証」を受け取る
  6. 遺骨を引越し先の墓地に移す
  7. 引越し先の墓地の管理者に「改葬許可証」を渡す
  8. これまでの墓を解体・撤去する
 墓じまいの費用相場

鎌倉新書「お墓の消費者全国実態調査(2019年)」によると、墓じまい費用の平均は68万円となっています。20代、30代の若者であったり、家族持ちの40代にとっては痛い出費です。ただし、あくまでも平均ですのでこれよりも安い費用で行うこともできます。

  • 20万円未満 19.4%
  • 20〜40万円 23.5%
  • 40〜60万円 15.3%
  • 60〜80万円 13.3%
  • 80〜100万円 7.1%
  • 100〜140万円 8.2%
  • 140万円以上 13.2%

平均は68万円ですが、約45%は20万円未満、もしくは40万円以内で収めています。もし墓じまいを行う可能性がある場合は、普段からこの程度の余剰資金は用意しておきましょう。

 墓じまいビジネスは今がピーク

昔は死んだらお墓に入って当たり前で、代々の家族がその管理を引き継ぐものだと考えられていました。しかし、今の20代、30代の人たちはそもそもそのような考えを持っていないと思いますし、団塊ジュニア世代の僕も自分の家族に面倒なことを任せたいという気持ちは薄れています。墓はいらないので旅行のついでに宮古島(そこは指定)の海に散骨してくれれば十分です。

死んだ人間のために時間とお金を使うのなら、自分のため、そして自分の家族のために使ってほしい。過去のためではなく将来のために使ってほしいと考える風潮が強くなっていると思います。一昔前と違い、日本を取り巻く環境は大きく変化しています。これから経済が大きく成長することはありませんし、中国や北朝鮮など地政学リスクも過去とは比べ物にないほど大きくなっています。

このような世の中の変化によって、墓じまいの問題が生じるのも団塊ジュニア世代がピークになると考えます。小さなお葬式のようなサービスが流行っていますが、きっと小さな墓じまいなんてサービスも出てくるでしょう。

伊藤泰行

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。いつまでもお酒が楽しめるように、毎年1回のフルマラソン完走を目標として健康な体づくりに励んでいます。

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