前立腺がんの10年生存率は92%、膵臓がんは5%

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もし皆さんががんに罹患した場合、その後どのくらい生きられると思いますか?先月28日、国立がん研究センターが2001年から2004年にがんと診断された人の5年、10年生存率を発表しました。発表されたデータを見ると、罹患する臓器や部位によってその後の生存率に大きな差が生まれることがわかります。ちなみにこの数値は「治療を行った人」を対象にしたものです。言いかえれば現代のがん治療を受けた場合、何年間生存できるのか事前に把握できるということです。ただし、がん治療の技術は年々向上していますので今後の生存率は向上する可能性が高いと思われます。それでは、各臓器・部位別の生存率をご紹介します。

臓器・部位別がん10年生存率
部位 平均
食道 60.6% 31.7% 18.6% 7.2% 28.4%
89.7% 52.2% 36.2% 6.0% 64.3%
結腸 93.3% 77.9% 74.4% 10.4% 67.1%
直腸 87.5% 77.0% 65.6% 7.8% 64.2%
大腸 90.8% 77.5% 70.6% 9.5% 65.9%
肝臓 25.7% 15.9% 7.5% 2.5% 14.6%
胆嚢胆道 42.0% 15.8% 5.5% 1.6% 15.2%
膵臓 29.1% 8.7% 2.1% 0.7% 5.0%
喉頭 79.3% 52.3% 44.7% 38.9% 58.3%
63.3% 28.5% 13.2% 2.8% 30.4%
95.4% 86.0% 57.8% 15.4% 82.8%
子宮頸 89.1% 65.7% 46.8% 14.5% 69.8%
子宮体 90.9% 82.2% 55.0% 8.2% 79.0%
卵巣 82.5% 56.1% 18.7% 13.4% 44.5%
前立腺 98.2% 100.0% 93.5% 41.0% 92.4%
腎臓 89.3% 68.9% 51.4% 14.9% 62.4%
膀胱 73.6% 74.7% 33.3% 16.5% 63.5%
甲状腺 98.7% 100.0% 92.7% 54.7% 86.0%

Ⅰ〜Ⅳはステージ(進行具合)を表しています。医療系ドラマを見ると、診断の際に「あなたはステージⅢですね」なんていうシーンがありますが、そのステージです。Ⅰが軽度でⅣが重度な状態です。上の表を見ればわかりますがステージが上がるほど生存率は低くなります。例えば食道がんの場合は早期に発見していれば60%以上の生存率があるのに、発見が遅れステージⅣになると7.2%まで生存率が下がってしまいます。この表を見ると、早期発見がどれだけ生存率に大きく影響するのかよくわかります。

ちなみに平均値で部位別の生存率を見た場合の生存率ベスト5は、

  1. 前立腺 92.4%(41%)
  2. 甲状腺 86%(54.7%)
  3. 乳がん 82.8%(15.4%)
  4. 子宮体 79%(8.2%)
  5. 子宮頸 69.8%(14.5%)

ワースト5は、

  1. 膵臓 5%(0.7%)
  2. 肝臓 14.6%(2.5%)
  3. 胆嚢胆道 15.2%(1.6%)
  4. 食道 28.4%(7.2%)
  5. 肺 30.4%(2.8%)

となります。ただし、これはあくまでも平均です。数値の横の()カッコ内のステージⅣの場合の生存率を見れば、どんなに生存率が高いがんでも発見が遅れればその生存率は格段に下がることを認識する必要があります。早期発見のために、定期的ながん検診は行ったほうがよいですね。

 国立がん研究センター「5年生存率、10年生存率データ更新」

伊藤泰行

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。いつまでもお酒が楽しめるように、毎年1回のフルマラソン完走を目標として健康な体づくりに励んでいます。

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