電気自動車(EV)分野で躍動する京都の企業

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世界は凄まじいスピードで自動車のEV化が進んでいます。今はまだガソリン車の方が多い日本ですが、充電スタンドが普及すればEVが浸透するのは間違いないでしょう。そんな日本において、EV分野で注目されている地域があります。それが京都です。

 EVは愛知連合と京都連合の戦い

国内のEV分野を牽引しているのはトヨタ自動車です。トヨタ自動車が本気でEV分野に進出すると明言してから、国内のEV開発は一気に加速しました。そして、そのトヨタ自動車のEV化を支えるのがデンソーを中心とする自動車部品関連メーカーです。これらの企業は国内で最も自動車関連の集積度が高い愛知県の豊田市に拠点を構えます。誰が見ても国内のEV関連はトヨタ陣営の一人勝ちだと思われるのですが、実はそれに対抗する企業群があります。それが京都の企業です。

京都のEV分野を牽引するのは日本電産です。駆動モーターやギア、インバーターを組み合わせた「イーアクスル」やパワーステアリングモーターにおいては世界トップシェアを誇ります。その他、京セラやローム、村田製作所、GSユアサなど自動車分野で活躍する有名企業が多数存在します。

日本電産 イーアクスルやパワーステアリングモーターで世界トップシェア
京セラ AI搭載の車載カメラや光学迷彩技術
ローム 高効率な次世代パワー半導体
村田製作所 小型で高効率なインダクターやコンデンサー、車両の位置を把握するMEMSセンサー
ニチコン 回路内の電気を保つフィルムコンデンサー
GSユアサ リチウムイオン電池、全固体電池を開発中
堀場製作所 バッテリー向け測定装置、英国の車両試験設備を有する企業を買収
folofly 工場を持たないファブレスでEVを開発

このように誰もが知っている京都の有名企業がEVにシフトしているのが分かります。面白いのは、ここにEV車両を開発するベンチャー企業が含まれていること。foloflyは2021年8月に創業したばかりの新しい企業です。京都大学発のスタートアップとして注目されています。foloflyのような新しい企業が、京都の名だたる大企業とタッグを組むこと自体が面白いですよね。

世界的にはAmazonやAppleなど大きな資本を持つ企業のEV進出も加速しているため、日本国内で争っている場合ではないのですが、競争があることで技術は確実に進歩します。今後国内のEV関連のニュースを見る時は、豊田系なのか京都系なのか意識すると面白いかもしれません。

伊藤泰行

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。いつまでもお酒が楽しめるように、毎年1回のフルマラソン完走を目標として健康な体づくりに励んでいます。

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