金融系APIの特徴とは

テクノロジー

国内では2018年に改正金融法が施行され、銀行や証券など金融機関がフィンテック企業に対してAPIの開放を促す努力義務が課されるようになりました。APIとはアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(Application Programming Interface)の略で、異なるシステム間でデータをやり取りする仕様のこと。つまり、フィンテック企業は金融機関が開放したAPIを利用することで、金融機関内に蓄積されているデータを活用した新たなサービスを開発することが可能になります。

金融系のシステムには主に2つの機能があります。1つは「参照系」、もう1つは「更新系」です。参照系とは銀行のシステムにログインしなくても画面上で口座情報(預金状況など)を閲覧できる仕組みです。更新系とは金融機関のシステムに対して支払いや振り込みなど指示をする仕組みです。

 参照系
  • 口座情報や残高、入出金明細などを取得する仕組み
  • freeeなどクラウド会計ソフトや株価・為替相場情報の照会で利用
 更新系
  • 銀行以外のシステムから支払いや送金を指示する仕組み
  • 従業員や取引先への自動振込や株式売買・投信購入などで利用

現在、国内では100を超える金融機関がフィンテック企業とAPI契約を結んでいますが、今後も契約数は増加していくと考えられます。金融機関以外の企業(特にスタートアップ)が重要な個人情報を扱うことを懸念する声もあります。しかし、APIを使わなければ皆さんの口座アカウント(ID、パスワード)をスタートアップ企業に預けることになるため却って個人情報が漏洩しやすくなります。APIを使えばこの懸念が無くなりアカウントを金融機関に預けた状態で新しいサービスを利用できます。

伊藤泰行

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。いつまでもお酒が楽しめるように、毎年1回のフルマラソン完走を目標として健康な体づくりに励んでいます。

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