会社員がフリーランスになって成功する方法

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新型コロナウイルス感染拡大による働き方の変化により、会社員からフリーランスに変わったり、会社員をしながら副業を行う人が増えてきました。私の周囲でも副業制度を利用して、本当に自分がやりたかったことを副業として実現しようとしている人がいます。また、気軽に独立できることもありUberEatsなど宅配ワーカーとして活躍している人もいます。

フリーランスの働き方ひとつとっても多様化している社会ですが、その働き方(仕事内容)は大きく2つに分けることができます。そして、それぞれの働き方にはメリットとデメリットがあります。今後、フリーランスとして活躍したい人はそのことを理解しておきましょう。フリーランスだからといって自由気ままに働けるわけではなく、むしろ制限を受けることも多くなることを知っておくことが大切です。

請負型なのか自社サービス型なのか

フリーランスの働き方は大きく2つに分けることができます。ひとつは「請負型」です。特定の発注者(クライアント)から業務依頼を受け、その納品を持って業務完了とする仕事です。Webデザイナーやフリーエンジニア、翻訳家などがそれに該当します。もうひとつは「自社サービス型」です。これは誰かの依頼を元に仕事をするのではなく、自ら開発した商品やサービスを不特定多数の人に販売する仕事です。分かりやすいのは飲食店やショップ、Webサービスです。また、YouTuberもこれに該当するでしょう。

請負型の場合は仕事内容が限定されます。フリーエンジニアであれば、ある程度業務範囲が決まっていて、上流部分や運用保守は発注元の企業が担うケースが多いでしょう。つまり、本当に自分が担いたい範囲だけ仕事にすることができます。一方、自社サービス型は商品やサービスの開発から販促、カスタマー対応など上流から下流まで全ての工程を自分で担う必要があります。もしくは一部業務を請負型フリーランス等に外部発注して対応します。

自分の中にアイデアがあり、それを社会のために実現したいのであれば必然的に自社サービス型になるでしょう。一方、今までの自分の経験や知識をそのままお金に変えたいのであれば請負型が適していると思われます。

フリーランスでも競争相手は存在する

言葉だけ見るとフリーランスは自由気ままに働いている人だと思われがちですが、これだけフリーランス人口が増えてくるとそうとも言えません。むしろ、一般企業よりも競争は厳しくなっていると言っても過言ではないでしょう。もっとも分かりやすいのがクラウドソーシングです。クラウドワークスやランサーズなどのサービスには非常に多くのフリーランスが登録しています。これらのほとんどが請負型のフリーランスです。なんとクラウドワークスには443万人が会員登録しています。もちろん、全ての会員が競合になることはありませんが、代表的な職種であるWebデザイナーやエンジニアは相当数の競合がいることを覚悟する必要があります。

一方、自社サービス型の場合は経歴や実績での勝負ではなく、アイデアを含むビジネスそのもので勝負することになるため、フリーランス同士の競争という枠を超え、企業を含む全ての事業者が競合になると言えるでしょう。同じアイデアであれば資金力のある企業の方が優位になるため、アイデア以外の優位性も担保する必要があります。

このように請負型であっても自社サービス型であっても、フリーランスは厳しい競争に立ち向かう必要があります。競争が楽しめるのであれば良いのですが、そうでなければむしろ会社員の方が気楽に仕事ができます。また、フリーランスになることで労働基準法の適用外になるため、かえって自由が無くなる可能性があることも認識しておきましょう。

フリーランスは儲かるのか

フリーランスはやればやるほど儲かる働き方だ、と誰かが言っていました。それは確かにそのとおりなのですが、重要なのは生産性です。会社員であれば労働時間も休暇日数も決まっていて、それなりの給与・ボーナスが手に入ります。しかし、フリーランスは労働時間も休日休暇も決まっていません。深夜に働いてもOK。365日24時間働き続けても問題ありません。しかし、それだけ働いて得られる収入は相対的に会社員より多いと言えるでしょうか?

1日8時間働いて得られる収入をフリーランスと会社員で比較した場合、多くのフリーランスは会社員より低い収入で働いています。もちろん、経験や実績が評価され高単価で仕事を獲得しているフリーランスも存在しますが、それはごく一部です。クラウドワークスのようなサービスに登録しなければ仕事が獲得できないようなフリーランスは市場平均よりも低単価で仕事を請け負っていると考えられます。

ではどうすれば儲けることができるのか。それは生産性を上げることです。1日8時間で5万円を稼いでいたら、生産性を上げて8万円稼げるようにしたらよいのです。そのために何をすればよいのか。まずはフリーランスとしての市場価値を高めること。誰でもできるようなことではなく、自分しかできないことを身につけたり、競合が参入しにくい独自サービスを立ち上げましょう。

そして、業務の全てを自分で抱え込まないこと。フリーランスは何かと自分一人で業務をこなそうとしますが、それが生産性低下の要因です。自分が苦手とする業務は悩まずに外部に依頼しましょう。そうすれば空いた時間を使い、他の案件を担うことができます。結局はフリーランスであっても企業であっても生産性を高める方法は同じだということです。だから、フリーランスになってもビジネスに関する勉強は欠かせません。むしろ会社員よりも情報収集力が劣るフリーランスほど勉強時間を増やす必要があるのではないでしょうか。

結局何が言いたいのかといえば、会社員のような恵まれた環境で結果が出せない人が、フリーランスになって成功する確率はかなり低いということです。これからフリーランスになる人は従業員マインドを捨て、経営者マインドでもって戦っていく必要があることを忘れないようにしましょう。

伊藤泰行

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。いつまでもお酒が楽しめるように、毎年1回のフルマラソン完走を目標として健康な体づくりに励んでいます。

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