【日本のEC市場】それでも実店舗で購入する理由

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2020年7月22日に、経済産業省は、「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」を実施し、日本の電子商取引市場の実態等について調査し取りまとめました。本ページではその中から特に重要なデータをピックアップして関係者の皆様にお伝えします。

それでも実店舗で購入する理由

国内の物販系EC市場は過去3年間、1桁台の成長を見せています。それ以前の成長率は2桁台ですので、やや成長が鈍化し市場が成熟してきたと言えますが、それでも高い成長率を見せているのは事実です。そのような中で継続してEC市場を拡大するためには実店舗で購入する消費者の心理を読み解く必要があります。

Amazonや楽天市場のような便利なECがあるにもかかわらず、世の中から実店舗が無くならないのは、ECには無い実店舗ならではの良さがあるからです。今後、物販系ECに関しては勝ち組と負け組が明確になってくると思いますが、その命運を分けるのは実店舗を利用している消費者の心理を読み解き、対応することだと考えます。

下のグラフは実店舗を利用する消費者の利用動機です。例えば「直接商品に触れる、試せる」に対しては、Amazonはアパレル商品を対象に「プライム・ワードローブ」という試着後に購入できるサービスを展開しています。また、「店員との会話や接客が良い」に対しては、アパレル業界を中心にチャットや動画などで店舗スタッフとの距離を縮める取り組みも始まっています。

今後のECは実店舗で受けられる恩恵をどのように移行するかが鍵になるでしょう。ただ画面上に商品を並べて客が来るのを待っている時代は終わりました。

出所:(株)いつも.「“リアル買い物離れ”アンケート調査」 2020年3月をもとに作成

伊藤泰行

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。いつまでもお酒が楽しめるように、毎年1回のフルマラソン完走を目標として健康な体づくりに励んでいます。

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