破壊的イノベーションを専門とする米国の運用会社「ARK」とは

金融・経済

2024年から新型NISAが始まります。今まで資産運用を行ってこなかった方も、その制度の魅力から始める方がきっと増えるでしょう。NISAを活用する場合は個別株よりも、投資しやすい投資信託が運用資産の中心になるでしょう。そして、投資信託を調べる中でよく見かける言葉があるはずです。それが「ARK」。

「ARK」とはARK Investmentsのことで、2014年に設立された米国の投資運用会社です。キャシー・ウッド氏が最高投資責任者(CIO)を務め、破壊的イノベーションに関連する企業に投資を行っています。

ARK Investmentsの特徴

ARKの運用するETF(上場投資信託)は、その運用成績の高さから注目を集めています。旗艦ファンドである「ARK Innovation ETF(ARKK)」は、2020年から2021年にかけて、S&P500を大きく上回るパフォーマンスを記録しました。

投資対象は人工知能(AI)、量子コンピュータ、ロボット工学、再生可能エネルギー、ゲノミクスなどの分野の企業です。これらの分野は今後の経済成長を牽引する可能性を秘めているとARKは考えています。

仮にあなたが米国のイノベーション企業の個別株を購入したい場合、ARKが運用するETFの組入銘柄を見ると、彼らがどのような企業に注目しているのか参考になり、銘柄を探す手間も必要なくなります。

ARKの投資手法4つの原則

ARKは次の4つの原則に基づいて投資しています。

1. イノベーションの力

ARKはイノベーションが経済成長の原動力になると考えています。そのため、イノベーションの可能性を秘めた企業に投資を行っています。

2. 破壊的イノベーション

ARKは既存のビジネスモデルを破壊する可能性のあるイノベーションに注目しています。そのため、破壊的イノベーションを起こす可能性のある企業に投資を行っています。

3. 長期的な視点

ARKは長期的な視点に立って投資を行っています。そのため、短期的な株価変動には左右されずに、投資先企業の成長を見据えて投資を行っています。

4. 多様性

ARKは投資先企業の多様化を重視しています。そのため、さまざまな分野の企業に投資を行っています。

ARKの投資手法はリスクが高いと指摘する声もありますが、その一方で、大きなリターンを獲得する可能性もあると期待されています。いわゆるハイリスク・ハイリターンと呼ばれる運用手法に該当するのですが、今のところ、ARKは高いパフォーマンスを生み出しています。

 ETFとは

今後、資産運用する際に必ずETFという言葉が出てくると思いますので、簡単にご説明します。

ETF(Exchange-Traded Fund)は投資信託の一形態で、株式市場で売買される商品です。ETFは取引所で株と同様に取引され、特定の指数や資産を追跡しています。ポートフォリオには複数の銘柄が含まれ、これによりリスクが分散され、投資家は一つの商品で複数の資産に投資できます。

通常、ETFは低い運用コストを有し、市場が開いている時間にリアルタイムで取引できます。長期的な資産形成から短期トレードまで、異なる投資目的に対応できる点が特徴です。株式ETF、債券ETF、商品ETFなど、様々な種類が存在し、投資家は自身の目的に合わせて選択できます。

ETFは投資先へのアクセスを広げる手段として、手軽で効果的な投資商品とされています。

伊藤泰行

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。いつまでもお酒が楽しめるように、毎年1回のフルマラソン完走を目標として健康な体づくりに励んでいます。

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