PayPay(ペイペイ)の導入を検討している飲食店のために必要費用をまとめました。

ビジネス

飲食店を開店する時に必ず検討するのが決済手段です。世の中はキャッシュレスの波が押し寄せています。飲食店のオーナー自身も普段からキャッシュレス決済を利用しているため、自分の店にもキャッシュレスを導入することは当たり前だと考えるでしょう。だからと言ってクレジットカード決済は手数料が高く、単価の低い飲食ビジネスでは負担が重くなります。そこで検討するのがPayPay(ペイペイ)です。

インバウンドを受け入れる飲食店ではクレジットカードの導入は必須となりますが、そうでない場合はPayPayだけでも十分でしょう。しかし、このPayPayは2021年10月から決済手数料が有料になりました。今回はそのことを含め、PayPay導入後にどの程度の負担がかかるのかシミュレーションしてみました。

 PayPay導入に係る費用

PayPayマイストア料金

初期費用 1,980円
月額費用 1,980円

PayPayマイストアとは「PayPayご利用中のお客様に対して店舗独自の情報を配信できるサービス」です。PayPayアプリで利用できる店舗を検索すると、そのお店の情報が表示されますよね。この料金はその情報をアプリに掲載するための費用と考えてよいでしょう。別に載せなくてもいいかな、と考える人も多いでしょう。でも、次にご案内する決済手数料に関係することなので真剣に検討してください。

決済システム利用料

PayPayマイストア加入者 1.6%
PayPayマイストア未加入者 1.98%

この割合が決済手数料です。PayPayマイストア加入者の場合は1.6%の手数料となりますが、未加入の場合は1.98%(0.38%アップ)になります。たった0.38%の違いですので大したことはないと思われがちですが、売上高が大きな飲食店ほど影響は大きくなります。

 1年間の料金シミュレーション(初年度の場合)

仮に月の売上高が125万円(1日5万円、月25日営業)の場合のシミュレーションをしてみました。

PayPayマイストア未加入の場合

A.月間売上高 125万円
B.月間手数料(1.98%) 24,750円
年間負担手数料(B*12ヶ月) 297,000円

PayPayマイストア加入の場合

A.月間売上高 125万円
B.月間手数料(1.6%) 20,000円
年間負担手数料(B×12ヶ月) 240,000円

PayPayマイストアに加入した場合は、未加入の場合より年間手数料が57,000円も低く抑えられます。ただし、PayPayマイストアを利用する初期費用と月額料金を加えると次のようになります。

  • 初期費用:1,980円
  • 月額費用:1,980円×12ヶ月=23,760円
  • PayPayマイストア年間利用料:25,740円
  • 年間負担手数料+PayPayマイストア年間利用料=265,740円

PayPayマイストアを利用することで初年度は約25,000円ほど負担が重くなりますが、それでもPayPayマイストア未加入よりも安くなります。つまり、PayPayを導入する場合はPayPayマイストアに加入することを前提に検討しなければいけません。

 PayPayマイストア加入の留意点

毎月コンスタントに売上がある飲食店であればPayPayマイストアに加入する方がメリットは大きくなります。しかし、今回の新型コロナ感染拡大のような状況になったり、店主自身が病気になったりして通常営業が難しくなった場合、PayPayマイストア加入のデメリットが際立ちます。

決済手数料は売上がなければ負担はゼロです。しかし、PayPayマイストアは売上に関係なく毎月負担しなければいけません。たかだか25,000円程度だから大丈夫だと思われがちですが、いざ売上ゼロの状態になったら考えは変わるのではないでしょうか。

伊藤泰行

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。いつまでもお酒が楽しめるように、毎年1回のフルマラソン完走を目標として健康な体づくりに励んでいます。

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