初心者のための、レンタルサーバーの選び方

ビジネス

フリーランスや副業として自分でビジネスを始める時に用意するのがレンタルサーバーです。レンタルサーバーを契約すれば、自分のホームページを持つことができ、独自ドメイン(URL)が付いたメールアドレスを発行することもできます。昨今はInstagramやFacebookなどSNSだけで運用する人も増えていますが、社外からの信用度を高めるには自分でレンタルサーバーを借りて、自社ホームページを運用する方がよいでしょう。

でも、初めてレンタルサーバーを借りる人にとっては何を基準に選べばよいのかわかりませんよね。レンタルサーバー業界はサーバーの低価格化により誰でも参入できる状態です。その結果、大手通信会社が運営するサービスから、個人事業主が運営するサービスまで様々です。そして、本質的には各社から提供されているサービスの中身は大きく変わりません。極端に言えば、高くても安くてもレンタルサーバーとして機能はします。だからこそ、レンタルサーバーは選び方が大切です。

 レンタルサーバーを選ぶ3つの基準

長年Web業界で働いてきた私は次の3点を基準にしています。

  1. レンタルサーバー運営会社の企業規模
  2. 管理画面(コントロールパネル)の使いやすさ
  3. サーバのパフォーマンス(速さ)

最初は「レンタルサーバー運営会社の企業規模」です。サーバーは資金が豊富であるほど安定した運用が可能です。資金が豊富にあれば高性能なサーバー本体を購入できます。また、優秀な人材(サーバーエンジニア)も採用できます。サーバーは24時間365日稼働させるもので、基本的に何かしらのトラブルが発生します。そのトラブルが発生した時に、どれだけ迅速に問題を発見し解決できるのか、その明暗を分けるのが人材です。

優秀な人材を抱えるサーバー運営会社はトラブルが発生してからの復旧が早く、利用者の業務への影響も限定的です。一方で人材が質が低い場合は、利用者に大きな影響を与え、最悪の場合、まる1日メールが使えなかったりします。こうなればサーバー運営会社の評価は下がります。だからこそ、高い報酬を払ってでも優秀な人材が必要で、そのためには豊富な資金が必要になるのです。

 毎日使う管理画面の使いやすさ

2つ目は「管理画面(コントロールパネル)の使いやすさ」です。どのレンタルサーバーを契約しても必ず管理者が使用する管理画面があります。この管理画面でドメインを設定したり、メールアドレスを発行したり、WordPressをインストールしたりします。スマホで言えば「設定アプリ」のようなものです。

この管理画面ですが、レンタルサーバーによって全然違います。基本的に運営会社の規模が大きくなるほど独自の管理画面を構築し提供しています。一方、資金の少ない無名の運営会社ほど汎用的な管理画面を用意しています。汎用的とは市販されている管理画面専用ソフトのようなもので、海外製のものが多いです。このソフトを使えば、資金が無くても簡単にレンタルサーバーを運営できてしまうのです。

汎用的な管理画面は不特定多数の管理者に合わせて開発しているため、使わない機能がたくさんあります。一方、独自の管理画面は無駄な機能を省き、初心者でも簡単に設定できるように構築されています。だから、初心者は独自の管理画面を導入しているサービスを選びましょう。ただし、独自性が強い分「」があります。その癖が自分に合うか合わないのかを確認するために、必ず試用期間に管理画面を触りましょう。

 ホームページの表示速度

最後は「サーバーのパフォーマンス(速さ)」です。パフォーマンスは簡単に言えばホームページの表示速度のことです。スマホでいろいろなホームページを見る時、同じ通信速度なのにホームページによって表示速度が遅かったり速かったりしませんか?これにはサーバーのパフォーマンスが影響しています。

サーバーもパソコンやスマホと同じように、使われているCPUなどの処理装置によってパフォーマンスが変わります。高性能な処理装置を使っているサーバーほどパフォーマンスが高くなります。しかし一方で、そのようなサーバーを使ったレンタルサーバーは相対的に利用料金が高くなります。

だから、高いパフォーマンスを要求するのであれば、相応の出費を覚悟しなければいけません。一方、それほど表示速度を気にしないのであれば低価格のサービスでも問題ありません。ただひとつ言えることは、表示速度が遅くなると見る人が少なくなり、Google等の検索サイトからの評価も下るため、検索結果に影響します。「自分のホームページをいろんな人に見てもらいたい!」と思うのなら、それなりのパフォーマンスは担保したほうがよいでしょう。

以上3点が私が考えるレンタルサーバーの選び方です。もちろん、これら以外の基準で選んでも構いません。無料期間が長いとか、無料でドメインが付いてくるとか。ただし、レンタルサーバーは長期間利用するもので、途中で引っ越しをするのはとても面倒です。だから、「とりあえず」な気持ちで選ぶと後で後悔します。

でも、選ぶ時間も限られていますよね。だからこそ、皆が使っているレンタルサーバーが一番無難なわけです。長く使う人が多いレンタルサーバーはそれなりに評価が高く、運営会社の収入も安定しています。その収入を元にさらに便利なサービスが次々と提供され、より一層利用者の満足度が高まる、というプラスの循環が生まれているからです。

次回はそんな「みんなが使っているレンタルサーバー」をご紹介します。

伊藤泰行

京都市在住。 日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA(2018年度合格/No.2153)、SAKE検定認定講師。(社)日本ソムリエ協会正会員(No.29546)。大学卒業後は(株)マイナビに入社し約10年間、顧客企業の新卒・中途採用領域における採用ブランディング、クリエイティブディレクションを経験しました。いつまでもお酒が楽しめるように、毎年1回のフルマラソン完走を目標として健康な体づくりに励んでいます。

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