Small Business Support Company

【BOOK REVIEW】日本人の武器としての世界史講座(茂木誠)

本書のような分かりやすい授業を受けていたら、きっと僕は世界史が嫌いになっていなかったと思います。さすが予備校の人気講師です。分かりやすい文章と、読者の興味を惹き付ける視点によって最後まで一気に読むことができました。何より「はじめに」の文章で、アケメネス朝とアルサケス朝との違いは現代人にとってどうでもいいから割愛する、と言い切るところでファンになってしまいました。本書を読めば中国、中東、ヨーロッパ、米国に関する歴史の重要事項と、現在のニュースとの関連性が分かるようになります。おすすめの一冊です。

ハイライト

日本やヨーロッパのように、契約関係としての封建制がちゃんと機能した地域は、実は近代化に成功している。一方、血縁に頼った中国式の封建制は、近代化の障壁になった。

ラテン語ができる人が「ローマ人」になったように、五経の「漢文」を読める人が「漢人」になったのです。本来、「漢人」というのは人種概念だけでなく、文化概念ということです。そして、当時、東アジアで文字を持っているのは漢人だけでした。

そもそもムハンマドをただの宗教指導者と考えるのが間違いなのです。彼はアラブを統一した軍事指導者であり、アラブ帝国の建国者だったのです。イエスは確かに愛を説いていますが、彼にはローマ帝国をまとめるという仕事はなかった。別にローマ皇帝がいたからです。イエスの仕事は、もっぱら魂を救うことだった。ここがムハンマドとの違いです。

アメリカ建国の目的は、自然権、人権の保障であると。だから、この理想を信じるものは誰でもアメリカに来ていい。つまり、生まれ(ネイション)は問わない。こういう非常に特殊な、人工的な国家としてアメリカは生まれました。