★ノーコードの現状と主なノーコードツール提供企業

2020年12月22日、ノーコードアプリプラットフォームを提供する企業「ヤプリ」が東証マザーズに上場しました。ヤプリはアプリ開発技術が無くてもプログラミング不要でスマホアプリを開発・運用できるアプリ・プラットフォーム「Yappli」を運営しています。契約アプリ数は2020年9月末時点で527、累計ダウンロード数は6500万、契約企業数は400社超と、今や国内ノーコード企業の中でトップシェアを誇ります。株式の公開価格は3,160円でスタートし、初値は2,080円(65.8%)上回る5,240円となりました。僕もこの企業には注目していて、ブックビルディングに参加したのですが残念ながら抽選に漏れてしまいました。

なぜ、これほどまでヤプリが注目されているのでしょうか。それは国内のエンジニア不足が背景にあります。新型コロナウイルスの影響によりDXなど企業や組織のデジタル化が加速していますが、それに対応できるエンジニアが不足しています。それを解消する手段のひとつとしてノーコードが期待されているのです。

ノーコードのメリットはコスト安・短期間

一般的な企業がスマホアプリを開発する場合、大体1,000万円ほど必要です。開発期間も3〜6ヶ月ほどかかります。これをヤプリのプラットフォームを使って開発するとコストは数百万程度、開発期間も約1ヶ月程度に抑えることができます。このようなプラットフォームに対して、開発業務を仕事とするエンジニアは「これだけでは顧客の要求を満たすことができない」と批判的なことを言うことがあるのですが、実際には大手企業ほど利用していてその満足度は高いようです。

例えばアパレル大手のビームスも従来スクラッチで開発していたものを、ヤプリのプラットフォームに切り替えています。大手企業が利用できる機能が揃っているのであれば、中小企業の要求は容易に満たせるのではないでしょうか。

今後、ノーコードの導入は加速し、今までスクラッチ開発で食べていたアプリ開発企業は苦境に立たされる可能性が高くなります。ノーコードで満たせないほどの機能を要求する企業はそれほど多くありませんし、仮に存在したとしてもコストが高くなりすぎてコストパフォーマンスは下がるでしょう。

ヤプリ以外のノーコードツール

国内ではヤプリのシェアが圧倒的に高いのですが、これ以外にも多くのノーコードツールが存在します。最も身近なものはネットショップ構築の「BASE」や「shopify」でしょう。

ヤプリ(日本) スマホアプリの作成
BASE(日本) ネットショップの作成
アッピファイテクノロージズ(日本) Webサイトをスマホアプリに変換
ショッピファイ(カナダ) ネットショップの作成
アップシート(米国) 業務アプリの作成

米国調査会社ガートナーは2024年までに、企業で使う業務アプリの65%がノーコードまたは少ないコーディングで済むローコードの開発手法によって生み出されるとみています。グーグルやAmazonもノーコードツールを開発する企業に興味を持っているため、今後アプリ開発=ノーコードという流れが主流になることは間違いないでしょう。

開発スキルしかないエンジニアは淘汰される

誰にでも開発スキルを提供できるノーコードツールが浸透した場合、どのような変化が起こるのでしょうか。一部スクラッチ開発が必要なアプリを除き、多くのアプリがノーコードで開発できるようになれば、非エンジニアでもアプリ開発が可能になります。つまり、その土俵において従来のエンジニアと非エンジニアの差は無くなります。そうなった場合、重要なのはアプリを開発するスキルではなく、「何を創るのか」という企画・アイデアが重視される世の中になるでしょう。

今後数十年で今まで開発を頼っていた大手ITベンダーの相対的価値は低下するでしょう。反対に今まで大手ITベンダーに頼っていた企業がインハウス化を加速して、社内の開発体制を強化していくのではないかと考えられます。

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