フラットな進化型組織「ティール組織」とは

一般的な組織はピラミッド型の組織で成り立っています。ピラミッド型は組織の上層部の従業員ほど権限を持っています。これは上層部の従業員ほど経験値が高く、その人の判断が一番正しいという前提の上に成り立っています。しかし、現在のように変化のスピードが速く、多様性に溢れた世の中では経験値だけで正しい判断を下せなくなっています。組織を維持する上ではピラミッド型は適しているのかもしれませんが、企業の成長という側面で見ると決して万全とは言えない組織構造と言えるでしょう。

今、中堅・中小企業やスタートアップを中心にピラミッド型の組織を廃止して、フラット型の組織に変えていこうという動きが広がっています。このフラット型組織のことを「ティール組織」と呼びます。日経新聞ではティール組織を次のように説明しています。

20世紀型の組織に見られる上下関係や目標管理がなく、一人ひとりが自らの意思と責任で動き、互いを支え合う組織を指す。組織改革のコンサルタント、フレデリック・ラルー氏が同名の著書で概念を示した。

では実際にどのような企業がどのような変革を行っているのかご紹介しましょう。

中西金属工業(大坂市)

中西金属工業は1924年創業のベアリング中核部品大手です。同社では主力事業部の一つである輸送機事業部で部内の職制を廃止し、管理職も無くしました。国内約240名の従業員が対象で、役職や職制が無くなり、全員が事業部長と同様の裁量と責任を持ちます。また、給与すら自分で決めることができ、社員全員に公開しています。

同社の代表は「全員が情報を持てる時代なのでそれぞれの責任で意思決定の権限を与え、これまでにないような挑戦をしてもらう方がよい」と語ります。ティール組織は一見従業員に「自由」を与えるように見えますが、実はそれほど自由に決定できるわけではありません。権限を移譲するわけですので、自らの決定に責任を持ちます。つまり、ピラミッド型組織のときよりも慎重に決定することが求められます。また、企業全体においては厳格かつ明文化されたルール作りが求められます。

木村石鹸工業(大阪府八尾市)

同社も中西金属工業と同じ1924年創業の企業です。従来は「言ったもん負け」の組織文化がありました。これを変えるために、同社社長は「自己申告型の給与制度」を導入しました。これは「自分で自分を値付け」するシステムです。自ら会社の課題を考え、それを変えるための貢献プランを半期に一度提出。そのプランにおける結果と自分の貢献度を勘案し、自分で給与を申告します。このシステムの目的は「社員の自律性」を高めることです。会社で起こっている出来事を「自分ごと化」し、積極的に会社へ関与する社員を増やします。

2社の事例を紹介しましたが、今後は部署やグループなど「組織」ではなく「個」にフォーカスした組織運営が広がっていきそうです。

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