【BOOK REVIEW】人工知能は人間を超えるか

日本の人工知能研究の第一人者である東大・松尾氏の著書。世の中「人工知能」「AI」という言葉が流行語のように飛び交っていますが、そもそも人工知能が何なのか理解していない人が多いように感じます。それは消費者だけでなくサービス提供側にも言えること。人工知能は人間で言えば「脳」に当たる部分であり、脳は大量の知識(情報)があって初めて役に立つ。人工知能も同様で、ビッグデータが無い人工知能なんて何の役にも立たない。というか人工知能とは言えない。そう考えると、世の中の自称人工知能の9割は従来型のプログラムでしかない。

ハイライト

人工知能は「人工的につくられた人間のような知能」であり、人間のように知的であるとは「気づくことのできる」コンピュータ、つまり、データの中から特徴量を生成し現象をモデル化することのできるコンピュータという意味である。

人工知能は次の4段階に分けることができる。

  1. 単純な制御プログラムを「人工知能」と称している(世の中で「人工知能搭載」としている商品はほぼここに該当する)
  2. 古典的な人工知能
  3. 機械学習を取り入れた人工知能
  4. ディープラーニングを取り入れた人工知能

言われたことだけをこなすレベル1はアルバイト、たくさんのルールを理解し判断するレベル2は一般社員、決められたチェック項目に従って業務をよくしていくレベル3は課長クラス、チェック項目まで自分で発見するレベルがマネジャークラス、と言い換えることもできる

単純な1つの文を訳すだけでも、一般常識がなければうまく訳せない。ここに機械翻訳の難しさがある。一般常識をコンピュータが扱うためには、人間が持っている書ききれないくらい膨大な知識を扱う必要があり、きわめて困難である。コンピュータが知識を獲得することの難しさを、人工知能の分野では「知識獲得のボトルネック」という。

機械学習の精度を上げるのは、「どんな特徴量を入れるか」にかかっているのに、それは人間が頭を使って考えるしかなかった。これが「特徴量設計」で、機械学習の最大の関門だった。

ディープラーニングは、データをもとに、コンピュータ自ら特徴量をつくり出す。人間が特徴量を設計するのではなく、コンピュータが自ら高次の特徴量を獲得し、それをもとに画像を分類できるようになる。

世の中の「相関する事象」の相関をあらかじめとらえておくことによって、現実的な問題の学習は早くなる。なぜなら、相関があるということは、その背景に何らかの現実の構造が隠れているはずだからである。

ディープラーニングでは、「ちょっと違ったかもしれない過去」のデータをたくさんつくり、それを使って学習することで、「絶対に間違いではない」特徴量を見つけ出す。そして、「絶対に間違いではない」特徴量であるがゆえに、その特徴量を使った高次の特徴量も見つけることができるのである。

参考文献

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