企業が抱える「ダークデータ」とは

企業のあらゆる活動にデジタル技術が活用されるようになると、必然的に保有するデータ量も増加します。企業にはこの蓄積されたデータを有効活用することが求められるのですが、実は活用されていないデータの方が多いのです。このような休眠データのことを「ダークデータ」と呼びます。2020年7月4日付けの日経新聞には次のような説明がありました。

ダークデータとは企業が製品開発や販売促進に生かせていない休眠データを指す。「光が当たっていない」という意味からダーク(暗い)データと呼ばれ、2015年ごろに調査会社が使い始めて広まった。企業が価値を認識できていなかったり、分析手法が分からずに死蔵されていたりするケースが多い。古くなった顧客リスト、撮りだめたままの監視カメラ映像が代表例だ。整理して分析すれば「宝の山」にもなり得る。

昨今では企業規模問わず、比較的簡単にデジタルデータを蓄積することが可能になりました。中小企業であっても自社にてECサイトを運営していれば、顧客情報や受発注データがデジタルデータとして蓄積されます。しかし、このような過去のデータを分析して、将来のビジネスに活用できる企業は限られているようです。

その理由は主に3つあります。1つ目は「明確なデータ戦略がない」こと、2つ目は「誰もデータ管理の責任をとりたくない」こと、3つ目は「データの保管場所がわからない」ことです。データには消費期限がないため、とりあえず貯めておこうと安易なデータ保管を選択するケースが多いのですが、データ保管にもお金がかかります。米ガートナーの調べでは、企業のIT支出は20年に世界で3兆4,000億ドルとなる見通しです。

このような事実を認識していないのが経営者です。現場で働く従業員はこのような問題には気づいているはずですが、指摘することで自身の負担や責任が増えます。その結果、企業の中で「放っておく状態」が続き、その企業のデータ分析技術は一向に進歩しません。このような問題を解決するためには経営者がトップダウンで、データ活動の戦略を明確に打ち出すことが必要です。そうすることで現場の仕事にもやりがいが生まれ、またデータ活用に優れた優秀な人材が集まります。

もうひとつ大切なことは「データの破棄基準を設けること」です。例えばECサイトであれば、過去3年間一度も購入しない顧客はリストから削除する、というようなルールを設ける必要があります。このようなルールを明確にしてデータを管理すれば、万が一個人情報が流出しても被害を最小限に留めることができます。

データは保管容量さえあればエンドレスに溜め込むことができます。しかし、現在のような変化の激しい時代においてはデータの使用期限も早いと考えます。つまり、蓄えるデータの質を見極め、残すデータと捨てるデータを分別することが大切です。そして、これを実現するためには企業内に明確なルールを設けることが必要なのではないでしょうか。

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