特許庁は2020年7月21日に知財アクセラレーションプログラムIPAS2020支援先15社を公開しました。日本でもスタートアップ企業が増えています。このスタートアップ企業が成長する上で重要なものが革新的な技術とアイデアで、これらを知的財産と呼びます。しかし、彼らはビジネスの立ち上げに注力するあまり、知的財産を軽視しがちで、その結果、技術・アイデアの流出、模倣品の出現や収益化の失敗などが起こり、競争力を失うという事態に陥ってしまいます。
IPASはこのようなスタートアップの成長を、事業と知財の両面で加速していくプログラムです。参加企業の課題・支援ニーズに対応した知識、スキルを持つビジネス専門家と知財専門家からなる「知財メンタリングチーム」を組織し、5か月間のメンタリングを通じて、参加企業が事業戦略の診断・ブラッシュアップを行い、事業戦略に連動した知財戦略を構築していきます。
今回はその対象企業である15社をご紹介します。
知財アクセラレーションプログラムIPAS2020支援先15社
アナウト株式会社 |
- 外科医の知識を人工知能に学習させ、手術中の人体構造を認識する手術地図を作成し、より安全な手術を提供することで、患者が苦しむ手術合併症の減少に貢献する手術支援AIシステムの開発。
- 神奈川県横浜市
- 代表:小林直
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アンヴァール株式会社 |
- 海洋に含まれるマグネシウムを採取する、火力発電などからのCO2の資源化、地下でメタン・水素を作るなど、日本を資源大国にする省エネルギー型金属酸化・還元技術の開発。
- 静岡県浜松市
- 代表:櫻井重利(慶應義塾大学文学部卒)
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inaho株式会社 |
- 農家とともに成長し、人手不足と農業経営の課題解決を目指し、収穫を代表する人の判断が必要な農作業を”AI”と”ロボティクス”でサポートするため、RaaSモデルによる自動野菜収穫ロボットを開発。
- 神奈川県鎌倉市
- 代表:菱木豊
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株式会社コーピー |
- AIの実運用で必須となる品質保証に焦点を当て、XAI技術を用いた説明性向上や、実環境における頑健性検証や外部攻撃に対する脆弱性検証などを行う包括的アルゴリズムとそれらを用いたシステムの開発。
- 東京都文京区
- 代表:山元浩平(東京大学情報理工学系研究科博士課程中退)
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株式会社GCEインスティチュート |
- 世界で年間約150兆円分発生する未利用熱や環境熱を再生可能エネルギーに活用すべく、「空気の温度」も半永久的に電力へ変換できる究極の環境発電技術「アンビエント発電」の実用化に挑戦。まず交換不要なIoT電源を開発。
- 東京都中央区
- 代表:後藤博史
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株式会社Jij |
- 量子・イジング計算機を用いた最適化アルゴリズム・ソフトウェアの開発。
- 東京都文京区
- 代表:山城悠(東京工業大学大学院理学院物理学系)
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株式会社Genics |
- 口腔からヘルスケアのサポートを目指す次世代型全自動歯ブラシの開発。
- 東京都新宿区
- 代表:栄田源(早稲田大学先進理工学研究科生命理工学専攻博士課程在学)
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ジェリクル株式会社 |
- 新規開発のゲルを用いて体内の細胞を活性化することにより組織の再生を促す、新しい再生医療技術(内因性組織再生)の開発。
- 東京都文京区
- 代表:増井公祐(東京大学工学系研究科バイオエンジニアリング修了)
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STAND Therapeutics株式会社 |
- 従来の抗体では不可能であった、細胞内の疾患治療標的タンパク質にアプローチできる、細胞内抗体“STAND Technology”を用いた疾患治療薬の開発。
- 東京都港区
- 代表:樺山博之(東京大学大学院医学系研究科博士課程修了)
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株式会社スペースシフト |
- 「宇宙×AIで世界をひもとく」をテーマに、地球観測衛星から得られる膨大なデータを人工知能を用いて自動解析し、様々な地球上の変化を読み解くソフトウェアの開発。
- 東京都千代田区
- 代表:金本成生(神戸大学工学部卒)
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Cellid 株式会社 |
- 世界最大級となる60°の視野角を誇るARグラス向けシースルーディスプレイおよび空間認識エンジンの提供・開発。
- 東京都港区
- 代表:白神賢(早稲田大学院物理学修士課程修了)
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株式会社チトセロボティクス |
- 人手不足・低労働生産性という社会課題を、ロボット技術によって解決することを目指した時給980円のロボット労働力の提供およびロボットシステムの開発。
- 東京都台東区
- 代表:西田亮介(立命館大学理工学部大学院修了)
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株式会社HERBIO |
- 個人の平熱時と発熱時の体温分析により、感染症等の早期発見を目指すサービス確立を目標とする体温を安定的かつ連続測定できるウェアラブル体温計と体調記録ソフトウェアの開発。
- 東京都渋谷区
- 代表:田中彩諭理
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ライトタッチテクノロジー株式会社 |
- 糖尿病患者の血糖値測定に際する苦痛・ストレスの緩和、感染症リスクの低減並びに血糖値管理による糖尿病人口の抑制を目標とし、中赤外レーザー光を応用した採血のいらない非侵襲血糖値センサーを開発。
- 大阪府大阪市
- 代表:山川考一(大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了)
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レグセル株式会社 |
- 免疫抑制機能を持つTreg細胞を活用し、自己免疫疾患などの炎症性疾患や臓器移植後の拒絶反応を効果的に抑えることを目標とした、体外で増やした抗原特異的なTreg細胞による細胞治療の開発。
- 京都府京都市
- 代表:半田恭彦
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経済産業省