中小企業で働く社員は転職時に残業代の未払い請求ができる、かも。

新型コロナウイルス感染拡大により、企業の働き方が大きく変わろうとしています。在宅勤務は当たり前になりつつありますし、郊外のシェアオフィスを使ったりリゾートでワーケーションを行う企業も増えています。しかし、このような取り組みを行っているのは大企業がほとんどです。中小企業においてはこのようなコロナ禍においても働き方に大きな変化が起こっていません。

中小企業にも大きく2種類あり、先端ITなどを手掛けるスタートアップ企業と、従来型の中小企業・小規模事業者があります。スタートアップの場合は経営者が若手の場合が多く、比較的働き方も柔軟に設定されています。しかし、従来型の中小企業の場合は、むしろ変化を嫌う傾向が強く、今回のコロナ禍においても一時的な在宅勤務導入に留まっていると考えられます。

この原因を作っているのが「経営者の意識の低さ」です。ボトルネックは経営者自身であるのに、その経営者が自分の意識の低さを認識していない。それが大きな原因でしょう。また、大企業と比較すると中小企業においては一般社員も経済や法律、お金に関する知識に疎い場合が多く、法律を犯しているのにそれに気づかない社員も少なくありません。

変化の遅れで中小企業が淘汰される時代へ

最近話題になっているのは、2020年4月から始まった「月45時間、年360時間を超える残業の原則禁止」です。すでに2019年4月から大企業に適用されていましたが、今年から中小企業にも適用されています。中小企業経営者の中にはこのような重要な法律を知らない人が多いのです。当然、従業員が知らない場合も多く、厳しい残業が常態化しています。

その結果、中小企業からの転職者が増加しているのですが、その際に未払いの残業代を請求するケースが増えています。今年4月の民法改正により、未払い賃金の請求期間が2年から3年に延長されたことも拍車をかけています。一般的にこのような労働問題においては、労働者の主張が通りやすいため、労働環境が悪い中小企業の負担は重くなる一方でしょう。

中小企業の経営者にとっては労働問題よりも目先のお金を重視しなければいけないこともあり、今すぐ労働環境に変化を促すことは難しいと考えられます。しかし、だからといって長期間その問題から逃げていると人材が集まらず、人手不足に陥り自然消滅するでしょう。

今後政府は国内の中小企業を減らす方針を打ち出しています。ますます経営環境が厳しくなる中で生き残るには、結局人材を確保するしかありません。人材を確保するためには労働環境を変えるしかありません。経営者は自分基準で判断するのではなく、一歩先を行っている中小企業を参考にして判断していくことが大切なのではないでしょうか。

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