厚生労働省が発表した「平成30年(2018年)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると、「病院」は前年比40施設減少しているのですが、クリニック(一般診療所)は約600施設、歯科診療所も4施設増加しています。一般企業においても独立して起業したり、大学卒業後に就職することなく起業するケースが増えていますが、医療分野においてもこの傾向があるように感じます。このような状況において、クリニック開業医が率先して考えなければいけないことは集客ならぬ「集患」です。
例えば病院検索の「EPARK」にて「京都市内」のクリニックを検索すると、2199件が表示されます。もちろん診療科ごとに競合数は変わりますが、これだけのクリニックが存在するとなると、単に医療技術が高いというだけで集患することは困難でしょう。やはり他のクリニックよりも目立つための何らかの施策が必要です。
クリニック開業後に行う3つのプロモーション施策
今後、クリニックを開業して集患を行う場合はインターネットを利用したプロモーションが中心になります。高齢者だけを対象にするのであれば、チラシや地方紙などへの広告掲載も効果が見込めると思いますが、持続的な経営を考慮するのであればインターネットを活用した幅広い年齢層へのアプローチが大切です。それでは、具体的にインターネットの何を利用すれば良いのでしょうか。それは次の3つです。
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自院ホームページ
クリニックで自由に情報を掲載・編集できる媒体です。院長の経歴やメッセージ、医療スタッフの紹介、施設紹介など基礎的な情報を掲載することにより患者に「安心感」を醸成されることができます。
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FacebookなどSNS
初期の集患ではなく、一度受診した患者に対してクリニックとの関係性を維持するための媒体です。院長やスタッフの日常やプライベートの情報を掲載することにより人間性に対するファンを増やし、患者との心理的距離を縮めます。
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クリニック検索サイト
「EPARK」や「病院なび」など、クリニック検索を専門としている媒体です。初診患者を増やす方法としては効果が見込めますが、地域によっては掲載数が非常に多く目立ちにくい点がデメリットです。無料であるならば掲載しましょう。
プロモーションスキーム
これら3つの媒体をどのように組み合わせて活用すればよいのでしょうか。理想的なスキームは次の通りです。

よくSNSだけでプロモーションを行うクリニックがありますが、SNSはある程度の規模の母集団がなければ利用価値が高まりません。少人数にアプローチするだけならSNSよりもメールのほうがよほど効果的です。だから、SNSを活用する以前に母集団を形成するための自院ホームページやクリニック検索サイトへの掲載は必須だと考えましょう。
次回は自院ホームページの作り方をご紹介します。