受託開発会社がおすすめするシステム開発の外部委託方法

当社は主にWebシステムの受託開発を行っています。受託ということは、業務を委託してくれるお客様が存在します。その多くがSIerなどシステム開発やWeb制作を専門とする企業です。このような企業が発注元(エンドクライアント)に営業を行い、業務を受注し、その一部または全てを当社のような二次請け企業に発注し完成を目指します。

多くの方がご存知のように中小企業の多くは慢性的な人手不足です。特にIT業界においてはその傾向が顕著で、優秀な人材はもちろん、平準的な人材ですら確保するのが難しくなっています。このような状態になると自社だけで受注案件を進めることが難しく、必然的に業務の一部を外部委託することになります。

このような外部委託の連鎖を「多重下請け構造」と呼びます。本来であれば発注元と一次請け企業の二者間にて契約を交わした案件であるはずなのに、二次請け三次請けの企業もそのビジネスに関わっている状態です。この状態が良い悪いの判断はここでは記しませんが、システム開発がこのような状態で行われていることを発注元は知る必要があります。そして、この多重下請け構造から発生する問題を把握し、それを回避する方法を用意しておくことが大切です。

問題① 開発費用が割増になるケースが多い

例えば、社内の受発注管理システムの開発をSIer(元請け)に依頼したとしましょう。そして、このSIerの下流には二次請け企業と三次請け企業が存在するとします。それぞれの役割は、SIerが顧客対応及び要件定義・設計を行い、二次請け企業は開発業務を行います。三次請け企業は二次請け企業のリソース不足や技術不足を補うために存在します。このように案件に関わる3者の役割が明確に分かれている場合は正常です。

しかし、二次請け企業が本来担うべき開発業務を三次請け企業に丸投げするケースも多々あります。この場合、二次請け企業は一次請けと三次請けの間に入り進行を調整するだけで、実際に開発業務には関わりません。開発業務に関わらない企業がどのように売上を上げているのでしょうか。それは仲介料(マージン)です。見積では「進行管理費」と記載されているケースが多いでしょう。

それではこの仲介料は誰が負担しているのでしょうか。そうです、発注元であるエンドクライアントです。二次請け企業が一次請け企業に提出する見積書にはこの仲介料が加えられ、一次請け企業はその見積を元に発注元に提出する見積書を作成します。受け取った見積書からはそのような下請け構造は見えませんが、下流から吸い上げられた見積によって出来上がっています。

この仲介料は意外と高く、1000万円を超える案件の場合は100万円以上になる場合もあります。言い換えれば、発注元は100万円以上の不必要な出費を行っているということです。現在のシステム開発業界はこのような状態が慢性化しているため、時として想定以上の見積り金額になり、発注元の負担が大きくなります。

では、この問題を解決する方法はあるのでしょうか。

まず必ず行ってほしいことは相見積もりにすることです。相見積もりを行うことで多重下請けとそうでない場合とで見積額に差が生まれます。また、一次請け企業に対して相見積もりを行う旨を伝えるだけで金額を抑制する効果も生まれます。

もう一つは多重下請けが発生しないように再委託を禁止する契約書を作成することです。ただし、全面的に禁止してしまうと依頼先が激減するため、再委託に条件を付けましょう。例えば再委託する場合は事前にその委託先全てを書面で明らかにさせるのです。そうすることで契約前に委託先全てを調査することができます。信頼できない企業が入っている場合、変更させることができます。また書面に載っていない企業が関わったことが後日判明した場合、一次請けに対してペナルティを課すこともできるでしょう。このあたりのことは顧問弁護士に相談しましょう。

多重下請け構造の下流に関わる多くの企業は、当社のような零細企業がほとんどです。何らかの方法で利益を確保しなければ存続すら危うい場合が多く、その必死さが見積書に表れます。発注元からしてみればどうでもよいことなのですが、システム開発にはそのような企業が関わっていることを知っておくことで防げることもあるのです。

長くなりましたので問題②はまた次回。

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