中小企業のテレワークを考える〜ふるさとテレワーク〜

テレワークの普及によって恩恵を受けるのは企業だけではありません。地方もまたその恩恵を受けるため、現在各地でテレワークの誘致を行っています。このような地方への人の誘致を実現することを「ふるさとテレワーク」と呼びます。正式には次のように定義されています。

いつもの仕事をどこにいてもできるように、バーチャルオフィスなどの孤立感を感じさせないツールを活用し、地方へUターン(Iターン)しても、自宅やサテライトオフィス・テレワークセンターでの就労を可能にする雇用型・自営型のテレワーク

通常のテレワークが週1〜2回限られた人が、限られた期間のみ行うのに対して、ふるさとテレワークは特に制限なく東京の仕事をそのまま地方で続けられるような施策と言えます。すでに会社員を辞め、クラウドソーシング等を活用し自営型テレワークを行っている場合、働く場所に依存されません。そのようなテレワーカーを地方に誘致することで、地方を活性化しようという考えです。

ふるさとテレワークの4つの類型

ふるさとテレワークには4つの類型(働き方のパターン)があります。

【類型A】 地方のオフィスに都市部の企業が社員を派遣し、本社機能の一部をテレワークで行う
【類型B】 子育てや親の介護を理由に地方への移住を希望する社員が、テレワークで勤務を継続する
【類型C】 クラウドソーシングなどを利用し、個人事業主として、または起業により都市部の仕事をテレワークで受注する
【類型D】 都心部の企業がテレワークで働く人材を新規に地方で採用する

例えば当社のような中小企業の場合、類型Dによって人材採用に活用することができます。中小企業は大企業のように全国に拠点がなく拠点を軸にした人材採用が行えません。また、設けている拠点も都心部のみになるため人材獲得競争が激しく中小企業にとっては不利になります。

このような状況に対して類型Dを活用すると、拠点が無い地方(例えば沖縄や鳥取など)においてテレワークを前提として人材採用が可能になります。働き方の基本はテレワークで行い、3ヶ月に1回だけ都心部に来てもらい顔合わせをする、ような働き方です。

ふるさとテレワークが広がっている理由

皆さんの周りにも、ふるさとテレワークのような働き方をしている人が存在するのではないでしょうか。特に最近は20代〜30代の若い世代が従来の古い働き方ではなく、地方での働きを望む人が増えているようです。では、なぜふるさとテレワークが広がっているのでしょうか。理由は2つあります。

① 地方産業の高度化

現在、ICTの普及においては都心部も地方もそれほど変わりません。沖縄に行っても鳥取に行ってもインターネット環境は東京や大阪と変わりません。このICTの普及により、もともとコンテンツ(資源)を多く保有していた地方が、それらを活かし独自のビジネスを展開するようになりました。日本酒やブランド米、伝統工芸品などがそれに該当するでしょう。そこに都心部から入った高度な知識を持つワーカーが合わさり、都心部には無い魅力を外に向けて発信しています。また、地方の企業が都心部のテレワーカーを活用し、新たなビジネスを立ち上げるケースもあるようです。

② 移住志向の高まり

昨今、都心部から地方への移住を考えている人が増えています。古い調査になりますが、2005年には20.6%だったのが2014年には31.6%もの人が地方への移住を希望しています。実際、僕の周囲にも地方に移住して暮らしている知人があり、また地方への移住を支援するビジネスを展開する知人もいます。都心部のオフィスに行かなくても同じ仕事が出来るのなら、その働く環境を良くしたいと考えるのは当たり前だと思います。特に幼い子どもがいる家族などは都心部ではなく地方で、広々とした住環境の中で伸び伸びと暮らしたいと思うはずです。

現在、全国各地の地方自治体でふるさとテレワークの実証実験を行っています。実際に都心部で働く人に来てもらい、その魅力を体験してもらうことが目的です。興味のある方はぜひ参加してみましょう。思っていたより快適ではない、と感じるかもしれませんし、そのままここに居続けたいと感じるかもしれません。

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