「結婚できない男」ファンにとって待ちに待った日が訪れました。久しぶりに見る桑野信介はなんだか顔に締まりがなくなって、やはり13年という年月は長いなと感じました。そして、相変わらず彼の周囲には美人が多く羨ましいと感じました。しかし、なんだかパッとしない。1話終了後、次を早く観たいという気持ちにならなかったのです。それはなぜなのか。ちょっと考えてみようと思います。
スタッフ陣が変わってしまったのではないか?
映画でもよくあることなのですが、シリーズ物で失敗するパターンはスタッフ陣の入れ替わりです。役者が全員同じだとしても脚本や演出のスタッフが変わると全く異なる作品になってしまいます。ましてや「結婚できない男」には僕のようにマニアックなファンも多く、ちょっとした変化に気づいてしまうのです。では、今回始まった「まだ結婚できな男」はどのようなスタッフ陣で構成されているのでしょうか。
旧結婚 | 新結婚 | |
脚本 | 尾崎将也 | 尾崎将也 |
演出 | 三宅喜重 | 三宅喜重 |
小松隆志 | 小松隆志 | |
植田尚 | 植田尚 | |
音楽 | 仲西匡 | 仲西匡 |
見てください。全く顔ぶれが変わっていません。それなのに何だか違和感を感じるのはなぜなのか。やはりスタッフも13年経てば歳をとり、環境も変わりトゲトゲしさがなくなったのでしょうか。正直に言いましょう。今回作は昼ドラと思われてもおかしくないほど穏やかすぎます。メリハリがなくメリメリです。
金田と沢崎さんはどこにいった?
前作と今作で共通している人物は次の通りです。
- 桑野信介(阿部寛)顔の締りがなくなった。
- 村上英治(塚本高史)顔が丸くなった。
- 中川良雄(尾美としのり)全然変わんない。
- 中川圭子(三浦恵理子)ショートカットが素敵。
- 桑野育代(草笛光子)服装が派手になった
- 大工の棟梁(不破万作)相変わらず滑る頭
要は桑野信介の親族はあまり変わっていません。ま、それは当然ですよね。親族が変わってしまったら大変だ。つまり、今回の登場人物で変わったのは桑野信介を取り巻く赤の他人たちです。最も重要な人物は桑野信介の嫁候補です。今回は吉山まどか(吉田羊)と岡野有希江(稲森いずみ)がその対象です。前作の流れを見ると最終的には吉山まどかとデキる可能性が高いでしょう。そして桑野信介の隣人・戸波早紀(深川麻衣)も重要人物です。前作では田村みちる(国仲涼子)でしたが、彼女の存在がドラマにメリハリをもたらしました。今回も隣人が重要な存在になるでしょう。
で、金田と沢崎さんはどこに行ったのでしょうか。前作で桑野信介とデキた早坂夏美(夏川結衣)のことは話題に出てきましたが、この二人のことには全く触れませんでした。前作ではこの二人が良いスパイス役だったのですが、今作ではこのスパイス役がいないような気がするのです。だからメリメリなのです。
食へのこだわりが感じられない
桑野信介と言えば、ひとりごはんです。しかも、食材や食べ方へのこだわりがすごい。今回もこのひとりごはんのシーンを楽しみにしているファンが多いと思うのですが、第1話は不発でした。ひとりしゃぶしゃぶのシーンはありましたが、それはただ単にしゃぶしゃぶをしているだけです。
この食事シーンで重要な点はいくつかあります。まず、「メニューの選び方」です。彼は前作で「野菜は邪道だ」と言っています。つまり、肉好きです。しゃぶしゃぶのシーンでも肉とワインだけを注文する画を入れてほしかった。さらにお皿などの置き方も重要です。お皿の向き、配置、すべてが彼にとって意味のあるものでないといけません。さらに食べ方。しゃぶしゃぶは湯に通して食べるだけのシンプルな料理ですが、だからこそ彼なりのこだわった食べ方を入れることで、それに面白さが加わる。
最後のひとり流しそうめんでも、ただ流して食べているだけ。前作ならまずネギを切り、切らした生姜をわざわざスーパーに買いにっていました。つまり、食べるシーンの前に彼の性格が現れていたのです。だいぶ妥協したとして前作を観ている人はよいですが、今作から見始めた人は彼の食へのこだわりを感じることができないでしょう。食もメリメリです。
ということで第1話を観て気になった点を並べてみました。何度も書きましたが、ストーリーに全くメリハリがありません。なんだか終始ダラダラしていて、終わり方も締まりがなく、「最終的にこの1話では何を伝えたかったのだろうか」と考えてしまうほどです。1話でこれだけインパクトがないドラマも珍しいでしょう。今後、無理やりな変化が起こらないことを祈っています。