遂に70歳雇用の時代へ。高年齢者雇用安定法改正案の骨格のポイント

5月15日に政府は、希望する高齢者が70歳まで働けるようにするための高年齢者雇用安定法改正案の骨格を発表しました。現在の高年齢者雇用安定法は希望者全員に65歳までの雇用を義務付けています。この法律によって、60〜64歳の就業率は2018年に68.8%と、2013年比で9.9ポイントも上昇しています。確かに私の周囲の高齢者(特に大企業で働いている人)も働いている人が多いと感じます。

ちなみに現行法において、企業の選択肢は次の3つです。

  1. 定年延長
  2. 定年廃止
  3. 契約社員などで再雇用

私の周囲では3番目の契約社員での再雇用が多いと感じています。雇用側の立場になれば、確かに労働力の確保として経験豊富な人材には残ってもらいたいのですが、雇用を維持するコストも少なくありません。であるならば、コストを下げつつ雇用する方法を選択するのが一番だと思われます。また、雇用される側もいつまでも責任を負う立場で働くのはしんどいですので、契約社員という立場で気分を楽にして働き続けたいという考えもあるでしょう。

それでも労働力が足りない

高年齢者雇用安定法によって60歳以上の労働者は増えているのですが、それだけでは労働力を確保することができません。だいぶ先の話になりますが、30年後の2049年の生産年齢人口は約5300万人と現在よりも3割も減ります。これでは経済や社会保障を維持することが難しくなります。このような状態を回避するために、さらに健康な高齢者に働いてもらおうという考えが今回の改正案に反映されました。その内容は以下の通りです。

  1. 定年延長
  2. 定年廃止
  3. 契約社員などでの再雇用
  4. 他企業への再就職支援
  5. フリーランスで働くための資金提供
  6. 起業支援
  7. NPO活動などへの資金提供

企業は70歳まで働きたいと考える労働者に対して、これらの中から選択する必要があります。ただし、現行法が義務であるのに対し、改正案は努力義務となります。おそらく中小企業は改正案の内容を実行する体力も体制もありませんので現実的ではないと思いますが、大企業は社会的責任を負う立場でもありますのでいずれかの選択を行うことになるでしょう。

改正案の特徴は、現行法が社内で継続雇用することが前提であるのに対し、社外での労働を支援するものが多いということです。本来このようなサービスは企業が個別に行うものではなく、ハローワークなど公的機関が担うものだと私は思うのですが、それと同等の機能を企業に持たせることに若干の違和感を感じます。

企業は現行の機能に加えて、上記の機能を追加する必要がありますので、それを社内だけで完結させるのか、もしくは外部サービスを利用するのか今のうちから考えておく必要があります。いずれにしても、人事の業務負担は相当増えそうですね。

以上のように高年齢者雇用安定法が変わりますが、世の中の高齢者はそんなに長い間働きたいのでしょうか。もし本当に会社員生活以外のことを行いたいのであれば、そのような人は同じ会社に留まらず、早期リタイアして自分の道を歩み始めるはずです。わざわざ健康に不安を感じる年齢(65歳)まで待って、起業したりフリーランスになるような人はあまりいないのではないでしょうか。僕は65歳まで生きていれば、働かずに1日中琵琶湖で釣りしたり、鴨川で読書したいですけどね。

関連記事

  1. 老衰で死ぬ茅ヶ崎市、老衰で死ねない茨木市

  2. 3年間で平均給与を増やした企業ベスト10

  3. ジャスダック時価総額上位企業のウェブサイト

  4. 【京都マラソン応援企画】ランナーが集まる飲食店

  5. SEの労働時間を短くする方法

  6. 高度外国人材活躍企業50社(その他成功事例)