今後のEC運営の鍵は「実店舗」と「配送コスト」

先日、5月9日付けの日本経済新聞に工場向けネット通販大手「MonotaRO(モノタロウ)」の記事が掲載されていました。同社は年20%超の高成長を続け、連結売上高はなんと前期比24%増の1095億円です。扱っている商品の単価は低いものの、1800万点を超える品揃えを武器に「工具のアマゾン」として新たなビジネスモデルを確立しました。

そんな同社にも課題があります。それが「配送コストの上昇」です。売上高は増加しているものの、配送コストの増加により利益率が下がっています。今後、配送コストが下がる可能性は低いと考えられますので、同社のようなビジネスモデルを展開する場合、従来の配送とは異なる何らかの物流が必要になります。

同社の鈴木社長は「物流費が上昇し、電子商取引(EC)は曲がり角に差し掛かっている」とインタビューに答えています。現在ECを運営している方は配送費の上昇分を安易に消費者に負担させるのではなく、何らかの代替案を考える必要があるでしょう。

直接配送から拠点受取へ

現在はEC運営者の物流拠点から消費者の自宅や会社に直接届けられる配送方法が主流で、恐らく今後もこれが主流で有り続けるでしょう。しかしながら、前述したようにこの配送方法は今後コストが上昇し続ける可能性が高い。そうなった時、ECの魅力は半減します。消費者は商品単価以外にかかる負担を出来るだけ低く抑えたいと考えています。あまりにも配送コストが高くなると実店舗で購入する方に割安感が生まれます。

このような課題を解決するためにモノタロウは消費者自身がデポ(小型の物流拠点)から受け取る方法を模索し、そのデポを無人店舗化する計画です。簡単に言えば、自宅や会社の近所にある物流拠点に自ら商品を受取に行く方法です。この方法を活用すれば、EC運営者はその拠点への配送コストだけ負担すればよく、消費者も高い配送費を負担する必要がなくなります。

モノタロウの場合は拠点の無人店舗化を考えていますが、既にコンビニやヤマトなど物流事務所での受取は運用されています。ただし、この場合は「人が人に商品を手渡す」ことになるため人件費が発生し、結局何らかのコスト上昇につながります。徹底的にコストを省こうとするなら、受取拠点を無人化しなければいけないのでしょう。

地域の小売店や美容室が受取拠点に

モノタロウのように豊富な資金がある場合は、自前で地域の受取拠点を設けることができますが、他の多くのEC運営者がそのようなビジネスモデルを構築するのは難しいでしょう。そのような中で何か他に方法はないのでしょうか。

街を歩けば分かると思いますが、人が多く集まる場所には企業のオフィスや小売店、美容室などあらゆる空間が存在します。しかしながら、それらの空間が常に有効活用されているかと言えば、必ずしもそうではありません。私はその生かされていない空間を商品の受取拠点にできればよいのではないかと考えています。

例えば美容室の場合、その空間は本来美容サービスを提供するものですが、美容商品を扱うECと提携し余った空間と人材で受取拠点を運営できるのではないかと考えます。美容室はEC運営者から手数料を受け取れますし、商品の受取りに訪れた不特定多数の消費者に店舗を知ってもらう機会にもなります。

世の中、実に多くの小売店や美容室など実店舗がありますが、常にフル稼働しているわけではありません。その空いているリソースに配送拠点という付加価値を設けることで、新しいビジネスモデルが構築できるのではないでしょうか。

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