2019年1月から施行される中国電子商取引法の概要を知る

世界で最も巨大なEC市場を持つ中国。この市場に対して多くの企業が自社商品を投入し、ECビジネスを展開しようと企んでいます。しかし、今まで中国市場に参入するにはいくつか障壁がありました。そのひとつが電子商取引に関する明確な法律がなかったことです。要は法的なルールが無い中でビジネスを展開することになり、やって良いことと、やってはいけないことの判別が難しい状態でした。

このような状態の中、「中華人民共和国電子商取引法(EC法)」が第13回全国人民代表大会第5回会議で可決されました。そしてその施行が2019年1月に迫りました。すでに中国でECビジネスを展開している企業も、これから展開しようと企んでいる企業も無視できない法律です。担当者はこの法律を勉強してから今後の戦略を立てるようにしましょう。

中国電子商取引法の概要(引用元:日本経済新聞社)
規制対象 電子商取引(EC)運営者(プラットフォーマー、出店企業、独立した通販サイト)
サイト運営の前提 登録が必要。営業許可証などの情報はトップページの目立つ位置に掲載
販売方法の規制 偽の口コミ情報の掲載、「抱き合わせ販売」への同意を初期設定することは禁止
配送責任 遅配、その他運送トラブルの責任は原則、EC運営者にある
個人情報の扱い 利用者の情報の照会、訂正、削除手続きを明示し、利用者から申請があったら対応
プラットフォーマーの義務
  • 出店企業の登録・納税状況を確認し、情報を当局に報告する。違反店舗には注意喚起する義務が生じる。重大な違反には業務停止と10万〜50万元の制裁金の併科
  • 出店企業が知的財産権を侵害したことを知りながら、必要な措置を講じなかった場合には、責任を負う。重大な違反には50万〜200万元の制裁金
紛争解決の手段
  • 消費者団体や業界団体などによる調停、仲裁、訴訟などで解決できる
  • プラットフォーマーはオンライン紛争処理(ODR)による紛争解決規則を制定できる
中国電子商取引法の特徴

この法律の一番の特徴はプラットフォーマーに対する厳しい義務を課した点です。プラットフォーマーとはTmallやAliexpressなどモール型のビジネスを展開する企業のこと。このようなモール型ECに出店している企業が、納税を怠ったり知的財産権を侵害したりするなど違反行為を行った場合、プラットフォーマーは何らかの措置を行う義務が生じます。もしこの義務を怠った場合、制裁金が課されます。例えば知的財産権を侵害している出店企業、つまり模倣品を販売している出店者を放っておいた場合、日本円で約800万円から3200万円の制裁金が課されます。

このプラットフォーマーに対する義務を課した点が他の国の電子商取引法とは最も異なる点です。これによって質の低い出店者を市場から追い出すことができ、結果的に消費者が守られます。中国が作る法律と聞くと日本人は何かとマイナスイメージを持ちがちですが、今回の商取引法に関してはむしろプラスのことが多いと考えます。

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