中小企業のITツール導入状況

4月20日に中小企業庁がリリースした2018年版「中小企業白書」から中小企業の現状を表すデータをピックアップしてご紹介します。今回は「中小企業のIT利活用の現状」を取り上げます。白書によると中小企業の景況感は好転しているものの、一方で生産性の伸び悩みと人手不足が深刻化し、本来のパフォーマンスを発揮できていない状況であるようです。人手不足の中で生産性を伸ばすためには、人材に代わるITツールを導入することが求められています。しかし、中小企業においてはIT導入による生産性向上の取り組みは私たちが考えているほど進んでいないようです。

中小企業におけるITツールごとの利活用状況

さすがにオフィスのようなソフトウエアや電子メールを導入していない中小企業は少ないのですが、大企業では当たり前のように導入されているERPやEDI、グループウェアのような業務支援系のITツールは未導入の企業が多いことがわかります。

今どきオフィスや電子メールはビジネスを行う上で必須ツールであり、それを導入したからといって生産性が上がるわけではありません。本気で生産性を上げようとするのであれば、ERPやSFAなど現場の業務をサポートするツールの導入が必要です。しかし、中小企業の多くはこれらのツールを導入していません。その原因は2つあると私は考えます。ひとつ目は導入コストが高く、それを超えるリターンが得られるのか分かりにくいこと。もう一つは経営者自身がそのツールの必要性を感じていないためだと考えられます。

私も小規模企業の経営者ですので分かるのですが、まだまだ業務系ツールの導入コストは高く負担が重いです。国の施策として補助金等も出ますが、あくまでも一時的な措置であり継続して支払う余裕は中小企業(特に小規模企業)にはないでしょう。もうひとつの原因である経営者の意識に関しては、その経営者がそのようなツールを過去に使った経験がない可能性が高いためだと考えられます。大企業で働いた経験がある場合は、普段から高度なITツールを業務で使っていたため、その有効性の高さは理解できると思います。しかし、ITツールを使ったことがない経営者にその有効性を理解してもらうのはなかなか難しいのではないでしょうか。中小企業は経営者のトップダウンで動く組織が多く、そのトップの意識が低ければITツールの導入はなかなか進まないでしょう。

中小企業の経営者の意識変革が肝

最近では会計ソフトを中心にシステムのクラウド化が進み、中小企業でも導入しやすい環境が整いつつあります。当社でもfreeeという会計ソフトを導入していますが、すでに無くてはならないツールです。一方で営業支援ツール(SFA)やグループウェアに関してはクラウド化したからといって導入しやすい価格帯まで下がっておらず、導入に関しては躊躇してしまうケースがあります。

おそらく今後価格は下がっていくと思われますが、そのためには経営者の意識変化が必要でしょう。クラウドサービス提供側もある程度の数が担保できなければ低価格化を進めることはできません。その数を増やすには中小企業の経営者にITツールの必要性を認識させることが求められます。経営者の意識が変わらなければ、どれだけIT補助金を増やしても導入は進みません。今後は補助金以前に経営者の意識変革をもたらす国の施策に期待したいですね。

 中小企業白書

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