中小企業の資金調達方法を変える株式型クラウドファンディング

最近は資金調達の方法としてクラウドファンディングを利用する企業が増えています。従来型のクラウドファンディングは、各プロジェクト実行者が各クラウドファンディングサービスにプロジェクトを掲載し、そのプロジェクトに賛同してくれた資金提供者にモノやサービスをお返しする仕組みです。先日このブログでご紹介した最年少女性杜氏のプロジェクトであれば、資金提供のお返しは彼女が初めて造る純米大吟醸酒になります。この従来型クラウドファンディングの特徴は企業だけでなく個人でもプロジェクト立案者になれる点にあります。

一方、資金を提供する見返りとしてそのプロジェクト立案者の株式を獲得できるクラウドファンディングもあります。それが株式型クラウドファンディングです。この場合、プロジェクト立案者は株式を発行できる企業に限られます。このクラウドファンディングの特徴は資金提供者が非公開株式を獲得できることです。通常、非公開株式はその企業の関係者以外購入することができません。証券会社を通して上場企業の株式を売買している投資家も非公開株式は手に入れることはできません。しかし、この株式型クラウドファンディングを通じて資金提供を行えば非公開株式を手に入れることができます。

もし資金提供先の企業が新しい技術やサービスを開発し、それが評価され企業価値が高まった場合、株式の価値も上がりますので資金提供者の株価も上がります。しかし一方で、非公開株式を発行し、しかも金融機関ではなくクラウドファンディングで資金を調達しようとする企業ですので企業の信頼性という面では上場企業よりも投資リスクは高いと考えられます。購入時点よりも株式価値が下がる可能性もあり、最悪の場合倒産して株式価値がゼロになることもあります。株式型クラウドファンディングを利用する場合は、このようなリスクを保有することが前提です。では実際に、どのような企業が株式型クラウドファンディングを利用し、どの程度の資金を集めているのか見てみましょう。

1000万円以上の募集額がほとんど

株式型クラウドファンディングサービスとして取引量日本一の「FUNDINNO」から事例を紹介します。数値はこのブログを書いた2018年3月6日時点のものです。

シースリーレーヴ株式会社 【AI×経営者プラットフォーム】企業が成長するきっかけを創る「COLABO(コラボ)」
目標募集額:30,000,000円(達成度42%)
株式会社フォルテ クルマの未来を変える!テレマティクス × 音声技術 × Androidの融合「VOCE-NAVI(ヴォーチェナビ)」
目標募集額:18,750,000円(達成度100%、調達資金37,000,000円)
株式会社クラウド漁業 最先端技術で漁業に革命を!IoT × ドローン養殖「クラウド漁業」
目標募集額:20,000,000円(達成度100%、調達資金37,875,000円)

各プロジェクトの詳細を見ていただければわかると思いますが、募集額の多くは1,000万円以上です。そして有望なプロジェクトに関しては早い段階で100%に達し、募集額を大きく上回る資金を獲得しています。業種を見るとやはりAIやITが多いですね。

中小企業の資金調達の方法が変わる

この株式型クラウドファンディングを見て思ったのは、これから中小企業の資金調達方法が大きく変わる、ということ。従来、中小企業は自信のあるアイデアを持っていたとしても実現するための資金が無く頓挫することが多々ありました。また、金融機関に融資を依頼してもそのアイデアの可能性を理解してもらうことは難しく、融資を断られたり、場合によっては不利な金利で融資されたりすることがありました。しかし、このクラウドファンディングを利用すれば金融機関に融資を依頼する必要がなくなります。しかも金融機関の融資額以上を調達することも可能です。金利を支払う必要もありません。

もちろん利用にあたっては留意する点もあります。株式を発行するわけですので、発行株式数によっては経営に影響を与える可能性もあります。また情報を詳細に公開する必要があります。プランを理解してもらうためには相当の情報提供が必要です。どんなに優れたプロジェクトでも、それを運用する企業(経営者)が信頼できなければ投資先としての価値は生まれません。このように従来型のクラウドファンディングよりもだいぶ敷居は高いのですが、中小企業の可能性を高めるという点で素晴らしいサービスだと思います。優れた技術・アイデアがある場合は積極的に利用してみてはいかがでしょうか。

 FUNDINNO

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