弁護士は増えているのに弁護士が足りない状況って?

先月2月26日の日本経済新聞社の朝刊に国内の弁護士数に関する記事が掲載されていました。僕自身も最近感じているのですが、周囲に弁護士資格を持った人が増えているなと。今までは医師が多いな〜と感じていたのですが、最近は医師と同じくらい弁護士も多いと感じています。その感覚は間違っていないようで、この記事によると現在国内の弁護士は4万人存在し、この15年間で約2倍になったようです。これだけ増えたのだから供給過剰ではないかと思われるかもしれませんが、実は人材不足感が強い分野があります。

国内弁護士人口の推移

最初に弁護士人口がどのような推移で増加しているのかご紹介します。日本弁護士連合会が発行している「弁護士白書2017」の基礎的な統計情報から2001年から2017年までの数値を元にグラフを作成しました。2001年時点では国内の弁護士数は約18,000人だったのですが、2107年には約39,000人まで増加しています。黄色いグラフは女性弁護士数を表していますが、女性は2001年の約1,800人から2017年には約7,000人と3倍以上増えています。

企業法務部門と地方で不足

弁護士が増えているのに不足感が強いのはなぜでしょうか。まず企業において法務部門の重要性が増しています。事業のグローバル化によって企業統治を強化したりM&Aの対応をしたりと現状の社内法務スタッフだけでは対応しきれない案件が増え、弁護士の需要が高まっています。日本経済新聞社が2017年10月〜11月に実施した「企業法務・弁護士調査」でも企業の3社に2社が今後3年以内に法務部門を拡充すると回答しています。しかし、企業法務部門で働きたいと考える弁護士は多くないようです。

もうひとつ不足感が強いのが地方です。新人弁護士は司法研修を終えると全国52の弁護士会のいずれかに登録します。当然ビジネス需要の多い都市圏の弁護士会に登録する弁護士が多く、地方の弁護士会に登録する弁護士は少ないです。最近は「新人登録ゼロ」の弁護士会が増えているのだとか。理想を言えば偏り無く都市圏にも地方にも弁護士が存在したほうがよいのですが、医師と同様に弁護士資格を得るために費やした時間と費用を考えると需要の多い都市圏で働き、相当の収入とステータスを手に入れたくなる気持ちはわかります。今後地方の弁護士を増やすには弁護士資格を取得するための費用を国や地方自治体が負担するなど何らかの施策が必要だと思います。確か医療分野では自治医科大学があり、この大学を卒業した医師は卒業後9年間地方医療に従事することが求められています。弁護士も同様に弁護士になりたくても金銭的負担が重く、その道をあきらめている人がいます。そんな彼らに弁護士になる機会を与え、その見返りとして数年間の地方勤務を義務とすればこの問題は解決できそうです。すでにそんな制度があるのかもしれませんが。医師も弁護士も国家資格で国がその存在を保証しているわけですので、特定分野や特定地域に集中するのではなく日本全体に恩恵を与える存在になってもらいたいですよね。

 日本弁護士連合会

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