採用面接で面接官が判断すべきポイントとは

残り1週間ほどで2019年卒向け新卒採用の採用広報がスタートします。しかし、実際は既にスタートし採用活動を終えている企業も存在しているでしょう。この原稿を書いている2月24日の日経新聞・朝刊に掲載されている記事によると2月時点で既に内定率が4.7%だと。仮に50万人の学生がいたとしたら、2万人以上の学生が内定を手にしていることになります。企業の人材獲得競争は既に中盤に差し掛かっているといってもよい状態です。

しかし中小企業の場合はこれからが本番で、もしかしたら未だに人材採用の評価指標すら作成していないかもしれません。そこで今回はこれから選考の評価指標を作成する経営者、採用担当者のために、人材を選考するためのポイントをご紹介しようと思います。

人には変わりにくい資質がある

採用担当者であれば一度は読んだことがあると思います。横浜国立大学准教授・服部泰弘氏の『採用学』です。本書の中で私が一番よく覚えているのが、「変わる資質、変わらない資質」という項です。ここでは産業・組織心理学者ブラッドフォードの「Topgrading」という本の中から面白い基準を取り上げています。それが次の表です。

変わりやすい能力、変わりにくい能力

比較的簡単に変化
  • リスクに対する志向性
  • 技術的知識的に最先端であること
  • 教育
  • 経験
  • 自己に対する認識
  • コミュニケーション(口頭)
  • コミュニケーション(文章)
  • 第一印象
  • 顧客志向
  • コーチング能力
  • 目標設定
  • エンパワーメント
可変的だが変わりにくい
  • 判断能力
  • 戦略的スキル
  • ストレスマネジメント
  • 適応力
  • 傾聴
  • チームプレー
  • 交渉スキル
  • チームビルディング
  • 変革のリーダーシップ
  • コンフリクト・マネジメント
非常に変わりにくい
  • 知能
  • 創造性
  • 概念的能力
  • 部下の鼓舞
  • エネルギー
  • 情熱
  • 野心
  • 粘り強さ

※ブラッドフォード『Topgrading』より抜粋

人間には比較的簡単に変化する資質と非常に変わりにくい資質があることがわかります。皆さんが採用担当者だとしたら、どちらを採用基準に選びますか?おそらく多くの人が「非常に変わりにくい資質」を基準に選ぶと思います。選考の段階でその資質が劣っている人より優れている人材を選んだほうがいいに決まっています。反対に「簡単に変わる資質」は入社後の研修や業務など研鑽を積むことで変えることができます。つまり、選考段階でこの資質は重視すべきものではありません。

しかし、多くの企業で(というか、ほとんどの企業で)面接で最も重視するのが「コミュニケーション力」なのです。サークルやアルバイトでの経験が豊富な学生は必然的にコミュニケーション力が高くなりがちです。一方、特に理工系学生に有りがちなのは、毎日研究に没頭しているが故に人とのコミュニケーション量が不足し、面接段階でコミュニケーション力が低いと判断され選考から漏れてしまうケースが多々あります。どちらが良い悪いという話ではなく、本当にコミュニケーション力が面接段階での評価基準としてふさわしいのかどうか、という話です。

研修会社が提供できるような能力は面接では必要ない

社会人の皆さんならお分かりだと思いますが、入社後の数ヶ月は社会人としての基礎を学ぶために研修を受けます。この研修内容と上の表の「比較的に簡単に変化する資質」って似ていると思いませんか?コミュニケーション力を高めるための研修やコーチング研修、営業職であれば第一印象を良くするための研修など。つまり、多くの人が入社後に「比較的に簡単に変化する資質」に関する研修を受けているのです。にもかかわらず、入社前の段階ですでにこの資質を基準にして評価しています。入社後に鍛えることができる資質なら、入社前はその資質以外で評価することが正しい方法だと考えます。

では、「非常に変わりにくい資質」である知能、創造性、概念的能力はどのように判断したらよいのでしょうか。恐らく従来の面接方法ではこれらを測ることはできません。アルバイトやサークル活動の話を聞いたからといって、これらの資質を判断する材料にはならないでしょう。それよりもGoogle社の面接のようにその場で学生に考えさせる面接を行なうことが必要でしょう。例えばGoogleでは次のような質問を学生に問います。

  • コインを1000回投げて560回表が出ました。コインの重さは不均衡ですか?
  • 東京では葬儀場と花屋のどちらがより広告効果があると思いますか?
  • 自分が採用されるべき理由を説明してください。

など、事前に対策のできない質問ばかりです。面接の場で考えさせ、その答えを人が理解できるように伝える能力を測る質問が特徴です。この面接をクリアするには知能、創造性、概念的能力はもちろん、ひとりで答えを導き出す粘り強さも必要です。こんな質問はできないよ、と採用担当者は思うかもしれませんが、大切なのは回答内容ではなく、答えを導き出すためのプロセスです。社会に出れば答えのない課題に対し、自分で答えを見つけなければいけない場面がたくさんあります。Googleのような質問は、このような場面に強い人材を事前に見つけるためのよい見本だと思います。いきなり全ての面接内容を変えるのは無理です。従来の質問項目の中にひとつだけでもよいので、学生が事前準備できないGoogleのような質問を入れてみてはいかがでしょうか。きっと、その学生の本質が見えるはずです。

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