消費者向けネットショップ市場の現状

最近は新聞を読むとほぼ毎日、経済面にネットショップ(EC)に関連するニュースが掲載されています。いまや私たちの生活に欠かせない存在となったネットショップですが、実際に国内ではどのくらいの市場があるのでしょうか。経済産業省の市場調査を元に、消費者向けEC市場の現状を調べてみました。

消費者向けECの市場は約15兆円

消費者向けECの市場規模拡大は今まで消費者へのインターネットの普及と相関関係がありましたが、実はインターネットの普及率は2013年から2016年にかけて大きく変化していません。2012年までは80%以下の普及率が2013年には80%強に増え、それ以降はほぼ横ばいです。このような状況にもかかわらず、消費者向けECの市場は2013年以降も増え続けています。この要因は、インターネットで扱われる商品の多様化や販売事業者の増加、スマホの普及、SNSによる情報量の増加、宅配時間の大幅な短縮化などによるものと考えられています。

それでは消費者向けECの分野別市場規模を見てみましょう。消費者向けECは大きく3つの分野に分類できます。(1)物販系分野(衣料、食品、家電など)、(2)サービス系分野(旅行、チケット販売など)、(3)デジタル系分野(電子書籍、オンラインゲームなど)。この中で最も大きな市場規模を持つのが物販系分野で約8兆円、次いでサービス系で約5兆3,000億円、そしてデジタル系の1兆7,000億円となっています。

食品、飲料、酒類のEC化率はたったの2%

一番大きな市場を持つ物販系ECの内訳を詳しく見ていきましょう。まずは下の図を御覧ください。市場規模の大きなカテゴリは「衣料・服飾雑貨等」「食品、飲料、酒類」「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」「雑貨、家具、インテリア」「書籍、映像・音楽ソフト」で、それぞれ1兆円を超える規模を持っています。しかしEC化率という視点で各カテゴリを見ると順番が変わります。最もEC化率が高いのが「事務用品、文房具」で約33%、次いで「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」で約29%、そして「書籍、映像・音楽ソフト」で約24%となっています。これらのカテゴリのEC化率が高い理由は、どこで買っても品質に変わりがない商品が多いため、できるだけ安く商品をネットで探す傾向が強いと考えられます。

一方、市場規模が大きい「食品、飲料・酒類」のEC化率はたったの2.25%です。これは鮮魚や精肉などECに不向きな商品が多く、まだECで購入する文化が根付いていないためだと考えられます。

物販系EC分野の内訳(2016年)

カテゴリ 市場規模 EC化率
衣類・服飾雑貨等 1兆5297億円 10.93%
食品、飲料、酒類 1兆4503億円 2.25%
生活家電、AV機器、PC・周辺機器等 1兆4278億円 29.93%
雑貨、家具、インテリア 1兆3500億円 18.66%
書籍、映像・音楽ソフト 1兆690億円 24.50%
化粧品、医薬品 5268億円 5.02%
自動車、自動二輪車、パーツ等 2041億円 2.77%
事務用品、文房具 1894億円 33.61%
その他 2348億円 0.75%

※出所:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」

今後は食品のEC化が拡大していく

私は頻繁にネットでワインや日本酒、食品を購入しているため、食品分野のEC化率の低さが意外に感じました。おそらく私たち40代以下の世代は今後ネットで食品を購入することに対して抵抗がなくなっていくと考えられます。そうなったときに消費者向けECにおいて最も成長するのは食品分野のネットショップだと思われます。今後新たにネットショップを開設しようと考えている場合は、すでにEC化率の高い分野に参入するのではなく、敢えてEC化率の低い食品分野に参入してみてはいかがでしょうか。

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