先日、日本ワイン界に多大な影響を与えたカーブドッチ・落氏の著書「僕がワイナリーをつくった理由」を読みました。彼がワイナリーを創設した1992年当時、日本ワインの状況は悲惨で、欧州ワインと比較にならないほど品質が低下していました。そこで彼は「国産生ぶどう100%、欧州系ワイン専用種100%のワインを造る」ことを目標に掲げ、ワイン造りに勤しんできました。
彼のワイナリーは新潟県・角田浜にあります。今でこそ注目されているワイン銘醸地ですが、当時は誰も見向きもしない土地でした。その土地にいち早く目を付け、ワインに適した土壌を育てていったのもカーブドッチの落氏です。この土地の特徴は土壌の良さはもちろん、海が近いことも特徴です。海が近ければ風が吹き、葡萄の大敵である湿度を下げてくれます。本書ではフランスの銘醸地ボルドー・メドックに似ているんだとか。
優れた土壌で造られたワインの味は当然素晴らしく、カーブドッチは注目される存在になりました。そして、彼の次の目標が自分と同じようなワインの造り手を育成することでした。自分の理念に共感する造り手が増えていけば国内ワインの品質は確実に良くなっていきます。2005年にフェルミエというワイナリーがオープンしたことをきっかけに、現在は新潟の角田浜にはカーブドッチを含め5軒まで増えました。ワイン業界ではこの一帯の「新潟ワインコースト」と呼びます。今回はこの新潟ワインコーストでワイン造りに励む5つのワイナリーをご紹介します。
カーブドッチワイナリー
- 住所:新潟県新潟市西蒲区角田浜1661
- 設立:1992年4月16日
- 自家製のパン・スイーツ・ソーセージ・ビールも楽しめるワイナリー
フェルミエ
- 住所:新潟県新潟市西蒲区越前浜4501
- 設立:2006年9月
- 旧日本興業銀行、みずほ証券出身の醸造家が造るワイン
ドメーヌ・ショオ
- 住所:新潟県新潟市西蒲区角田浜1700-1
- 設立:2011年9月
- 微生物学の博士号を持つ醸造家
カンティーナ・ジーオセット
- 住所:新潟県新潟市西蒲区角田浜1697-1
- 設立:2011年12月1日
- 26年間広告業界で働いた醸造家
ルクサンワイナリー
- 住所:新潟県新潟市西蒲区角田浜1693
- 設立:2015年10月1日
- 2017年10月に初ワインをリリースしたばかり
新潟はワインだけでなく日本酒の銘醸地でもあります。酒呑みの聖地。今後新潟の日本酒が海外で注目されるにつれて、新潟で造られているワインも注目されそうです。国産ワインは長野県や山梨県が注目されますが、これからも新潟も要チェックです。