書店が一軒もない市町村が増えている

2017年12月18日の日経新聞・朝刊に「書店のない市町村の割合」という記事が掲載されていました。この記事によると、都道府県によって書店の出店状況に差があることがわかります。書店が1軒もない書店空白市町村が多いのは長野県で53%の市町村に書店がありません。次いで沖縄県で48.8%となっています。反対に書店が多い都道府県は香川県でなんと0%。全ての市町村に書店があります。ちなみに全国平均は22%です。長野県は市町村が多いため一括りに比較することはできないと思います。しかし、現実として半分の市町村に住む子どもたちは書店に行くことができません。大人はAmazonなどネット通販を使って自由に本を購入できますが、子どもはその自由を持っていませんので書店の存在は大きいのではないかと思います。

書店がない市区町村の割合が高い都道府県(トーハン調べ)
1位 長野県(53%)
2位 沖縄県(48.78%)
3位 奈良県(48.72%)
4位 福島県(47%)
5位 高知県(44%)
ネット通販の台頭で地方の書店が無くなる

以前は街にある小さな書店が子どもの溜まり場で、子どもの頃の僕も学校帰りに入り浸っていました。最近は小さな書店に代わり大型書店が増えましたが、子どもの頃と同じように仕事帰りに入り浸ることがあります。しかし、購入する場所は書店ではなくAmazonを利用することが増えました。書店の良い点は一度にいろいろな本を試し読みできること。偶然の出会いもあり、その本がきっかけでその分野に興味を持つことも少なくありません。一方、Amazonは購入したい本が決まっている場合は使い勝手が良く、しかも最速で翌日に到着するので重宝しています。書店とAmazon、上手に使い分けをすれば共存できると思いますが、Amazonの勢いに地方の書店は太刀打ちできず、老舗書店が次々と倒産しています。2016年の書店の倒産状況(東京商工リサーチ)を見ると、2014年の倒産件数が11件でその後年を経るごとに増加し、2016年には25件に増えています。さらに倒産はしていないものの、休業・解散している書店は2016年で41件にのぼり確実に地域から書店が減っていることがわかります。

街の書店の代わりに移動書店

地域から書店が無くなる現実に対して、危機感を持った自治体や企業が移動書店というかたちで地域に書店を設ける取り組みが増えています。北海道は上記のランキングだけ見れば恵まれた環境かもしれません。しかし、厳しい自然環境の中で子どもが書店に足を運ぶことは困難で、書店があっても通うことができない地域がたくさんあります。そのような状況の中で、2016年4月から道内の3自治体(妹背牛町(もせうしちょう)、喜茂別町(きもべつちょう)、西興部村(にしおこっぺむら))は「走る本屋さん」をスタートしました。月に一度だけですが各自治体に移動書店車で訪れて臨時書店を実施しています。この取り組みの目的は子どもたちに本を届けるだけでなく、今後の書店のあり方を模索する点にもあります。都心部と地方では求められる書店のあり方が異なります。今後はこのような取り組みを基に、新しい書店ビジネスが生まれそうです。

また、オンライン古書店の大手「バリューブックス」も移動式書店「ブックバス」という取り組みを開始しています。同社・取締役の中村氏も「偶然の出会いの場が無くなっている」ことを危惧していることが伺えます。最近は同社のように地域が抱える課題を解決しようと取り組んでいる企業が増えていると感じています。単に昔ながらの書店を復活させるのではなく、今の社会に合った書店のあり方を実現すれば、これから書店は増えていくのではないでしょうか。

 東京商工リサーチ「2016年(1−12月)書店の倒産状況」

 マガジン航「無書店自治体を走る本屋さん」は、なぜ走る?

 greenz「1台のバスで何ができるか?オンライン古書店の大手「バリューブックス」が、小さな移動式本屋「ブックバス」を始める理由

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