有期契約社員の無期転換への準備は進んでいますか?

人事部に所属している人ならご存知だと思いますが、平成30年(2018年)4月から有期労働契約で働く労働者の無期転換の申し込みが本格化します。有期労働契約と聞いてもピンとこないかもしれませんが、1年契約など雇用期間を定めて働いている労働者で、一般的にはパートやアルバイト、契約社員、嘱託社員などと呼ばれています。その反対の無期労働契約とはいわゆる正社員のような定年まで働く労働者のことを指します。有期労働契約者のほとんどが非正規雇用労働者で国内に約2000万人いると推計されています。そしてそのうちの30%が勤務年数が5年を超えて契約を反復更新しているんだとか。今までは正社員とそれ以外の労働者という2つのシンプルな労働形態だったのですが、今後は正社員、「無期労働に転換した労働者」、有期労働契約者の3パターンで構成されることになります。だから、現在多くの企業の人事部はニュータイプの彼らに対してどのような就業規則を設けるか等、雇用体制の改変に慌ただしく取り組んでいます。これは大企業だけでなく、中小企業も例外なく当てはまりますので、社内で5年を超えて契約更新しているパート、アルバイトがいれば、今後どのように雇っていくのか真剣に考える必要があるでしょう。

無期転換の準備を進めないと大変なことに

有期社員に無期労働契約の転換を申し込む権利を無期転換申込権といいますが、無期転換を申し込んだ時に社内に該当する就業規則が無いと以下のような問題が生じます。気になることがある場合は、早めに手を打ちましょう。

有期契約社員が定年のない無期社員になります

通常、無期転換社員の労働条件は「別段の定めがある部分を除き」有期労働契約の内容と同一とする、としていますので、無期転換した社員に有期社員の就業規則をそのまま適用すると、定年のない雇用になります。

無期転換社員の賃金を改定する根拠がない

無期転換社員の就業規則を作っておかないと、退職するまでずっと転換時のままの賃金になります。昇給や降給の根拠となる賃金規定を設けておきましょう。

無期転換社員と従来の正社員が同じ就業規則で働くことに

もし正社員の就業規則に正社員の定義を「期間の定めのない雇用契約を締結している者」としている場合、無期転換社員もそれに該当するため、職務内容が異なっても正社員の就業規則の適用を主張される恐れがあります。

無期転換の手続ルールを明確にしないと混乱が生じる

無期転換の申し込みは書面だけでなく口頭での申し込みも有効とされています。でも口頭の場合は「言った、言わない」のトラブルが生じる可能性が高くなります。必ず申し込みのルールを作っておきましょう。

有期社員の就業規則は元々粗い

正社員の就業規則と比較して、有期社員の就業規則は粗い場合が多いので、解雇や懲戒に関する規定が設けられていない場合もあります。無期社員になると雇止めができないので、解雇と懲戒のルールを設けておきましょう。

不合理な労働条件が発生する可能性が

無期転換社員が有期社員と同じ職務内容で有期社員よりも待遇が良くなったり、正社員と同じ職務内容なのに待遇が劣ったりする労働条件の不合理が発生しやすくなりますので気をつけましょう。

雇止めは相当難しくなる

会社側が無期転換をさせないために5年を超える直前に雇止めするような行為は、よほど合理的な理由がない限り認められません。今後は無期転換の申し込みを前提とした有期社員の雇用を行ったほうがよいでしょう。

長くなりそうなので今回はここまでとします。次回は無期転換社員を迎えるにあたって、具体的にどのような取り組みをしていけばよいのかご紹介します。

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