IBMの人工知能「ワトソン」を無料で使う

AI(人工知能)に興味のある人ならすでにご存知だと思いますが、米IBMの主力製品である人工知能「ワトソン」が11月から無料で提供されます。今までこのワトソンを利用するには、最低でも数百万円かかったのですが、この無料提供によって多くの企業や研究機関でAIを使ったサービス開発が進むでしょう。さらに無料ですので、私たちのような中小零細企業でも個人のエンジニアでも気軽に利用できるため、アイデア次第では大企業を超えるサービスが開発できる可能性も広がります。

そもそもワトソンって何?

まずはワトソンが何なのか簡単にご紹介しましょう。ワトソンは米IBMが開発した質疑応答システムです。現在、メディアでは人工知能として紹介されることが多いのですが、IBM自身は、ワトソンは自然言語を理解し人間の意思決定を支援する「コグニティブ・コンピューティング・システム」と定義しています。あくまでも人間が主体で、それを支援する存在であるとする点で、現在騒がれている人工知能とは若干違いがあります。

ワトソンという名称はIBMの創立者であるトーマス・J・ワトソンが由来です。このワトソンの開発には8つの大学が貢献しています。マサチューセッツ工科大学、テキサス大学オースチン校、南カリフォルニア大学、レンセラー工科大学、ニューヨーク州立大学アルバニー校、トレント大学、マサチューセッツ大学アマースト校、カーネギーメロン大学です。この8つの大学が技術的に貢献したからこそ、この素晴らしいシステムが出来上がったんですね。

このワトソンが表舞台で上がったのは米のクイズ番組「ジェパディ!」です。人間とコンピュータとの対戦として注目され、2011年にワトソンが勝利し100万ドルを獲得したことは、当時の国内のニュースでも大きく取り上げられました。囲碁のAIも同様なのですが、今のAIってクイズなど人間の娯楽から発達したものが多いですね。

無料のワトソンで何ができるのか

さて、今回無料で提供されるワトソンの機能にはどのようなものがあるのでしょうか。ニュースによると、「会話」「翻訳」「文章を基にした性格分析」「対話を通じた意思決定支援」「文章を基に感情や社交性を判別」など6つの基本機能を無料提供するんだとか。性格分析や社交性判別なんて、今までもスマホアプリでありましたが、ワトソンを利用することでより精度の高い判別が行えるようになりそうです。またすでに金融機関ではコールセンターや店舗の対応で利用しているほか、ソフトバンクは採用活動でも利用するとリリースしています。

エンジニアであれば興味津々だと思いますが、IBMのウェブサイトに行くと、開発者向けのコンテンツが充実しています。おすすめなのが「THINK Watson」というIBMのウェブサイト。AIビギナーのためのQ&Aや、他国のエンジニアがワトソンを使って開発したソフトウエアの事例などが紹介されています。事例を見ていると、すでに日本国内のベンチャー企業も動き出していて、たくさんの事例があがっています。また、ワトソンの基本的な機能を知るためのコンテンツも掲載されていますので、初めてワトソンに触る人はまずこちらからスタートした方がよいかも。

今回はIBMワトソンについて簡単にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。今までもオープンプラットフォームによって世の中は大きく変わってきました。そして今回のワトソン無料化。おそらくこれによって世の中のサービスはさらに大きく変化していくでしょう。私たちもこのような大きな流れを捉えて事業を変化させる必要がありそうです。今通用している事業は数年後は全く価値をもたらさないものになっているかも。勉強しよ。

 THINK Watson

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